知らずにたくさん食べていない?柿を食べ過ぎてはいけない人の特徴とは|管理栄養士が解説
秋の味覚といえば、甘くてみずみずしい柿。ビタミンCや食物繊維が豊富で、風邪予防や美容にもよさそうなイメージがありますよね。 しかし、体質や持病によっては食べ過ぎに注意したいケースも。この記事では、柿を食べ過ぎてはいけない人や、体にやさしく取り入れるためのコツを分かりやすく紹介します。
柿を食べ過ぎるとどうなるの?
おいしくて栄養豊富な柿ですが、食べ過ぎは禁物です。ここでは、柿を食べすぎると、体にどんな影響があるのか見ていきましょう。
胃石ができることがある
柿を食べ過ぎると、胃の中に「柿胃石(かきいせき)」と呼ばれる石のようなものができることがあります。柿胃石とは、柿に多く含まれるタンニンが、胃酸と混ざり合って沈殿物を作り、さらに食物繊維を巻き込んでできたもの。よくあることではありませんが、腸閉塞を起こすケースも報告されています。
鉄の吸収が妨げられる
タンニンは、鉄と結合しやすい性質があります。そのため、柿を食べ過ぎると、体内への鉄の吸収が妨げられる恐れも。鉄の吸収が阻害されると、貧血を引き起こす恐れがあります。
柿を食べ過ぎてはいけない人
どんな食べ物も「食べ過ぎ」は体によくありません。柿も例外ではなく、食べる量には注意が必要です。ここでは、特に柿を食べ過ぎないよう気をつけたいのはどんな人なのか見ていきましょう。
胃腸が弱い・冷え性の人
柿は、東洋医学においては体を冷やす性質のある食べ物とされています。そのため、冷え性や胃腸の弱い人が食べ過ぎると、下痢や胃もたれを起こすことがあります。特に空腹時に柿を食べ過ぎると、柿胃石ができやすいといわれているため、食後に適量食べることを意識しましょう。
貧血・鉄剤を服用中の人
先述の通り、タンニンには鉄の吸収を阻害する作用があります。貧血ぎみの人、鉄剤を服用している人は、特に食べ過ぎに注意しましょう。なお、柿は鉄の吸収をサポートするビタミンCが豊富です。食べ過ぎはよくありませんが、適量摂取する分には積極的に取り入れたい食材といえます。
腎機能が低下している人
柿にはカリウムが含まれています。カリウムは高血圧予防のために積極的に摂取したい栄養素ですが、腎機能が低下している人は、カリウムの摂取制限が必要な人もいます。医師にカリウム制限を指示されている人は、柿を食べ過ぎないようにしなければいけません。
安心しておいしく食べるために
柿を健康的に楽しむコツは、「1日1個(200g前後)」を目安にすること。ビタミンやミネラル、食物繊維を含む果物は、この量を目安に摂ることを意識してみてください。
また、体を冷やさないように心がけている人は、冷蔵庫で冷やさず常温で食べるとよいでしょう。ヨーグルトやナッツと組み合わせたりすると、栄養バランスも整いますよ。
柿にはビタミンCやβ-カロテン、カリウム、食物繊維など、体にうれしい栄養がたっぷり。肌の健康や免疫機能のサポートにも役立つので、上手に取り入れてみてくださいね。
まとめ
甘くてジューシーな柿は、秋になるとつい手が伸びてしまう果物ですが、体に負担のないよう楽しみたいもの。おいしい秋の実りを健康づくりに役立てるために、くれぐれも食べ過ぎには注意してくださいね。
【参考】
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