【犬と育った子供は喘息を発症するリスクが低い!?】研究結果が示唆

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2025-10-08

犬は人間、特に赤ちゃんの最高の友達かもしれない。

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新たな研究において、犬と育った乳幼児は小児喘息を発症するリスクが低い可能性が示された。

喘息発症リスクが48%低下

カナダのトロント小児病院の研究チームは、生後3〜4か月の乳児1,050人の家庭から埃のサンプルを採取した。そしてそのサンプル中の、犬の皮膚や唾液に含まれるたんぱく質「Can f1」、猫の皮膚や唾液に含まれる「Fel d1」、細菌の表面にある「エンドトキシン」の3種類のアレルゲンの測定を行った。結果、犬のアレルゲンへの曝露レベルが高かった乳児は、5歳までに喘息を発症するリスクが48パーセント低く、肺の機能も高いことが示された。この傾向は、喘息やアレルギーになりやすい体質を持つ子どもで、さらに強く見られた。猫のアレルゲンやエンドトキシンに曝露された乳児については、喘息の発症を抑えるような効果は確認されなかった。

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家庭内アレルゲンに着目

喘息は子どもにおいて極めて広く見られる慢性の呼吸器疾患であり、その発症率が最も高いのは生後4年間であると、トロント小児病院の研究者、ジェイコブ・マッコイ博士は説明する。発症には遺伝的要因と環境要因の複雑な相互作用が関わっており、環境要因には感染症、アレルギー、大気汚染などが含まれるという。子どもは多くの時間を室内で過ごすため、今回の研究では家庭内のアレルゲンに着目した。これらは喘息のリスク要因として重要なものであり、対策によって影響を減らせる可能性があるとマッコイ博士は強調する。

「この結果は、犬のアレルゲンに早期に曝露されることでアレルギー反応が起こりにくくなる可能性を示しています。犬のアレルゲンへの曝露により、例えば、鼻腔内の微生物群(マイクロバイオーム)に変化がもたらされたり、免疫系に何らかの影響が与えられることなどが考えられます。」と述べ、
「今回の結果は、犬のアレルゲンが喘息に対して保護的に働く可能性を示しているが、幼少期における犬のアレルゲンへの曝露、肺機能、そして喘息の関係を理解するには、さらなる研究が必要となります。」と述べている。

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喘息は子どもに最もよく見られる疾患の一つ

欧州呼吸器学会の小児喘息・アレルギー専門部会の議長であるエロル・ゲイラード医師もまた、これらの関連性や、ペットと暮らすことが発達途中の子どもの肺に与える長期的な影響については、さらなる理解が必要だと指摘する。その上で、この研究は犬のいる環境で育った乳児の喘息発症リスクを低減させる可能性を示しており、犬を飼う家庭にとって前向きな内容だと評価している。 「喘息は子どもや若年層に最も多く見られる長期的な疾患であり、子どもが救急治療のために入院する主な理由のひとつでもあります。症状を抑える、あるいは止めるための有効な治療法は存在しますが、同時にリスク要因を減らし、発症を予防することも目指すことが望まれています。」と述べ、今後の研究に期待を示している。

出典
https://www.independent.co.uk/news/health/babies-lower-risk-asthma-grow-up-dogs-b2833510.html

https://www.usnews.com/news/health-news/articles/2025-09-29/dogs-but-not-cats-may-protect-against-childhood-asthma-study-says

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