あなたの咳、風邪や喘息じゃないかも|ストレスで咳が出る?心因性の咳の特徴とは|精神科医が解説
ストレスが原因で咳が出るってホント?
ストレスが原因で咳が出るってホント?
喘息でもないのに発作的に咳が出る、病院を受診して体はどこも悪くないと言われたのに咳が続くなど、なかなか治らない咳に悩まされていませんか?
それは、もしかしたら、ストレスが溜まっているサインかもしれませんよ。
ストレスが原因で咳?
ストレスで咳が出ることがあること、ご存知でしたか?
知らなかった!と言う方もおられれば、経験したことがある!という方もおられるかもしれませんね。
ストレスによる咳は、身体的には何の異常もありません。
ですので、どれだけ病院を転々と受診して、ありとあらゆる検査を受けても異常なしと言われてしまいます。
では、なにが原因で咳が出るのでしょうか?
それは、ストレスによって自律神経のバランスが崩れ、呼吸に関連する神経や筋肉に影響を与えたためです。
具体的には、以下の3つです。
過度の緊張
ストレスが増加すると、交感神経が刺激され、身体が緊張状態になります。これにより、気道の筋肉が収縮し、咳が引き起こされることがあります。
気道の過敏性
ストレスにさらされた場合、気道が過敏に反応することがあります。これにより、気道の炎症が行ったり、粘膜の過剰な刺激が起こり、咳が誘発されます。
不安や緊張による呼吸パターンの変化
ストレスや不安症状があると、浅い呼吸や速い呼吸が引き起こされます。こうした呼吸リズムの変化が咳を誘発することがあります。
ストレスが原因で出る咳の特徴
ストレスが原因で咳が出ると言われても、身体に問題があって咳が出ているのか?ストレスが原因か?分からないですよね。
ですが、ストレスが原因で出る咳には、身体の病気による咳とは少し違う特徴があります。
もし、原因が分からない咳に悩まされている場合は、チェックしてみて下さい。
<ストレス性の咳の特徴>
・痰や喉の痛み等はなく、咳のみ
・大きな音の咳が連続的に発作的に出る
・睡眠中や趣味など何かに集中している時は出ない
・喉のつまり感を伴うことが多い
*気管支喘息では、ストレスが加わることで、症状が悪化し、喘息発作がでやすくなりますが、この記事で説明しているストレス性の咳とは全く別ものです。
自律神経のバランスを整えよう
ストレス性の咳では、自律神経のバランスの崩れが症状を引き起こしている原因ですので、自律神経のバランスを整えることで、咳症状を和らげることができます。
その方法の1つが筋弛緩法。
意図的に筋肉の緊張を高めた後、一気に緊張を緩める事で副交感神経の働きが高まり、ストレスで崩れた自律神経のバランスを整えることができます。
<やり方>
1:手
グーを作ってギューッと握りしめ、5つ数えます。
→ 力を抜いて、10数えます。
2:腕
力こぶを作るように腕を曲げ、 脇をしめて、ギューッと力を入れて5つ数えます。
→力を抜いて、10数えます。
3:肩
両肩を耳に近づけるようにグッと上げて、5つ数えます。
→力を抜いて、10数えます。
4:首
顎を引き首を前に倒して、首の後ろの筋肉を 緊張させて、5つ数えます。
→力を抜いて、10数えます。
5:背中
力こぶを作るように腕を垂直に曲げて、そのまま外側に広げ、肩甲骨を背骨に引き付けるようにし、5つ数えます。
→力を抜いて、10数えます。
6:足
足を伸ばした状態で、指先を背屈させて(指先がお腹の方を向くように)、5数えます。
→力を抜いて、10数えます。
まとめ
単なる咳、特に体に異常がないなら放置しておいてもと思っていると、
ストレスが今度は心を蝕み、気分が落ち込む、意欲が出ないなど、心の不調へと進展してしまう可能性があります。
早めに、ストレスと向き合い、対処するように心がけましょう!
AUTHOR
豊田早苗
鳥取大学医学部医学科卒業後、総合診療医としての研修及び実地勤務を経て、2006年に「とよだクリニック」を開業。2014年には「とよだクリニック認知症予防・リハビリセンター」を開設。「病気を診るのではなく、人を診る」を診療理念に、インフォームド・コンセントのスペシャリストと言われる総合診療医として勤務した経験を活かした問診技術で、患者さん1人1人の特性、症状を把握し、大学病院教授から絶妙と評される薬の選択、投与量の調節で、マニュアル通りではないオーダーメイド医療を行う。精神療法、とくに認知行動療法を得意とし、薬を使わない治療も行っている。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く