「仕事がしんどく休みたいのに…休めない」こんなときどうする?精神科医が教える「罪悪感の手放し方」
ついつい自分に厳しく、頑張りすぎていませんか?Twitter・テレビなどでも大人気!の精神科医の藤野智哉さんが、力を抜いて生きるコツを一冊に綴った『「誰かのため」に生きすぎない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、「仕事を休みたいけど…休めない」ときの対処法を一部抜粋してお届けします。
仕事がしんどくてたまらないけど休めない…どうしたらいい?
これまで真面目にがむしゃらに働いてきた人から、「突然、『しんどいから休む』みたいなことをすると、自分が自分でなくなってしまうような気がする」と言われたことがあります。「自分が自分でいられなくなる」ということは、「自分=会社」や「自分=仕事」になってしまっているということだと思うんですよね。
こういうときは、次のような質問を考えてみるといいと思います。自分にとって「仕事」は、「自分が大事なものランキング」の何位ですか? 大事なものの中には「健康」だったり、「家族」「恋人」などいろいろあるでしょう。でも、「仕事」ってそれより大事でしょうか。「仕事」って言われるとなんとなく大事な気もするかもしれません。まあ実際、大事ですしね。それでごはん食べたり、家を借りたりしていることもありますしね。でも、心や体が壊れてもいいくらい大事でしょうか。そもそも無理してしんどくなったら、結局、仕事を休まなければいけなくなりまだったら、収入はちょっと減るかもしれないけれど、無理しないで長く続けることのほうが大事だったりもするんです。
だから、仕事がしんどくてたまらないけど休めないってときはもちろん、それ以前の段階でも、「自分にとって大事なこと」を考えてみてください。
さらにはそれを書き出してランキング表を作ってみてもいいかもしれませんね。
「自分が大事なものランキング」などのタイトルで、
・あなたにとって一番大事なことは何ですか?
・仕事は何位に入りますか?
・本当に仕事ってそこまで大事なものでしょうか?
こういったことを考えながら書き出してみます。すると、自分を壊してまで働くって、バカらしいし、ムダだなって思ったりしませんか?とはいえ、「仕事、しんどいな」と思っても、自分で仕事の分量をコントロールするのってけっこう難しいこともあるでしょう。上司がいたり、どこで手を抜いていいかわからなかったり、自分でコントロールできる部分が少なかったりする場合も多いですしね。
だったら、たとえば仕事がとんでもなく大変で、でも自分の力では減らせない場合は、代わりに「仕事以外の何を削れるか」を考えるといいと思います。
・平日は外食やスーパーのお惣菜に頼る
・洗濯は近所のコインランドリーでまとめてやる
・疲れているときはシャワーですませる
・部屋のそうじは週1回でOK
自分で考えつく「手を抜くポイント」を探してみましょう。手を抜けるところは抜いて、自分を甘やかしてください。そして、仕事でいっぱいいっぱいのときは、どんどん手を抜いちゃってください。もちろん、本当につらかったら、転職しても、休職してもいいんですよ。
とにかく無理しないのが一番です。仕事が一番大事じゃなく、あなたが一番大事です。
この本の著者/藤野智哉
1991年生まれ。精神科医。産業医。公認心理師。秋田大学医学部卒業。幼少期に罹患した川崎病が原因で、心臓に冠動脈瘤という障害が残り、現在も治療を続ける。学生時代から激しい運動を制限されるなどの葛藤と闘うなかで、医者の道を志す。精神鑑定などの司法精神医学分野にも興味を持ち、現在は精神神経科勤務のかたわら、医療刑務所の医師としても勤務。 障害とともに生きることで学んできた考え方と、精神科医としての知見を発信しており、メディアへの出演も多数。著書に『「自分に生まれてよかった」と思えるようになる本』(幻冬舎)『自分を幸せにする「いい加減」の処方せん』(ワニブックス)、『精神科医が教える 生きるのがラクになる脱力レッスン』(三笠書房)などがある。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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