【心が限界を迎える前に】精神科医が教える「自分のキャパシティ」を知る【しんどさ表】を作るメリット

 【心が限界を迎える前に】精神科医が教える「自分のキャパシティ」を知る【しんどさ表】を作るメリット
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ついつい自分に厳しく、頑張りすぎていませんか?Twitter・テレビなどでも大人気!の精神科医の藤野智哉さんが、力を抜いて生きるコツを一冊に綴った『「誰かのため」に生きすぎない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、自分のしんどさを把握するための方法を一部抜粋してお届けします。

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普通や通常に惑わされず、自分のキャパを知ろう

「私ってダメな人間なんです。残業なしで働いているだけで、いっぱいいっぱいなんです」って人がときどきいます。けれども、僕は全然ダメなんて思いません。むしろ、すごいな、よくやってるなって思います。「週5日で8時間働く」のがよく「普通」っていわれていますが、それでOK、全然やれますって人、実はもっと少ないと思うんですよね。

人それぞれ「キャパシティ」があるのに、ついつい「普通」とか「通常」みたいなもので自分の能力を測ってしまいがちです。フルタイムで働いて毎日夜遊びできる人もいれば、平日は家でゆっくりしないと働けない人もいます。自分のキャパシティは少ないのに、人と比べて「私ってできない。ダメな人間だ」なんて否定してしまったりするのはそれこそムダです。だから、まずは自分の能力を、きっちり100%までいかなくていいんですけど、自分のキャパシティや体力はどれくらいか、ってことを自分なりに把握したほうがいいと思っています。よくおすすめとしてお話しするのが「自分のしんどさの表を作る」という方法です。

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「これができなくなってきたら、倒れるまで40%だな」みたいな自分なりのラインを考えておくのです。たとえば

「お風呂に入るのがめんどくさくなってきたら、しんどさ60%だな」
「大好きな漫画を読んでも面白くなくなってきたら、もう80%疲れがたまってきているな」

みたいな感じでしょうか。

・朝起きて、重い気分になった(しんどい度20%)
・SNSのキラキラインフルエンサーにイラッとした(しんどい度40%)
・コンビニ弁当ばかり食べている(しんどい度70%)
・生理前でイライラする(しんどい度50%)
・お風呂に入れない(しんどい度60%)
・会社を今すぐ辞めたい(しんどい度90%)

こうやって、「しんどさの表」を書き出してみてください。「自分の限界」を知っておきましょう。そして「しんどさの表」とともに、「やめること」も決めておくといいでしょう。ムダな飲み会とか、週末のお誘いとか、仕事帰りの習いごととか、お弁当づくりとか。「やめること」も決めておくのです。

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「しんどい度60%になったら、週末のお誘いは断ってゆっくりする」
「しんどい度80%になったら有休をとろう」

などと自分なりの基準をつくるのです。そうやって自分の限界を超えないようにコントロールするのです。誰もが自分のキャパシティがあります。しんどいの「目安」と「やめること」を決めておきましょう。線引きせず、なんとなくでやっていると、流されて、限界超えて、つぶれちゃうこともあるんですよ。

『「誰かのため」に生きすぎない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
『「誰かのため」に生きすぎない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

この本の著者/藤野智哉

1991年生まれ。精神科医。産業医。公認心理師。秋田大学医学部卒業。幼少期に罹患した川崎病が原因で、心臓に冠動脈瘤という障害が残り、現在も治療を続ける。学生時代から激しい運動を制限されるなどの葛藤と闘うなかで、医者の道を志す。精神鑑定などの司法精神医学分野にも興味を持ち、現在は精神神経科勤務のかたわら、医療刑務所の医師としても勤務。 障害とともに生きることで学んできた考え方と、精神科医としての知見を発信しており、メディアへの出演も多数。著書に『「自分に生まれてよかった」と思えるようになる本』(幻冬舎)『自分を幸せにする「いい加減」の処方せん』(ワニブックス)、『精神科医が教える 生きるのがラクになる脱力レッスン』(三笠書房)などがある。

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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