「野菜を食べない子供に果物を」はOK?野菜でしか摂れない栄養、果物でしか摂れない栄養とは
「野菜を食べない子供に代わりに果物を食べさせれば良いのでは」と思ったことはありますか? この記事では、野菜嫌いの子供に悩むお母さん、お父さん向けに、野菜と果物に含まれている栄養素の違いについて管理栄養士目線で紹介していきます。
野菜と果物の栄養素は似ている?
野菜と果物には同じ栄養素が含まれていることも多いですが、その含有量は意外と異なっています。
実際に、野菜に多く含まれている栄養素と果物に多く含まれている栄養素について紹介します。
野菜に多く含まれている栄養素
食物繊維
食物繊維は野菜に豊富に含まれている栄養素です。
野菜には特に不溶性の食物繊維が多く含まれており、腸内環境を整え便秘の予防に効果を発揮します。
子供も大人同様便秘に悩まされることも多いため、積極的に摂取したい栄養素です。
ミネラル類
ミネラル類は果物よりも野菜に多い栄養素で、体の調子を整える役割を担っています。炭水化物やたんぱく質源のみでは摂取が難しい栄養素でもあるため、野菜から摂ることが重要になります。
また、不足や過剰によって欠乏症や過剰症を引き起こすため、他の食品とともにバランスよく摂取する必要があります。
果物に多く含まれている栄養素
ビタミンC
ビタミンCはオレンジやキウイ、イチゴなどの果物に多く含まれており、免疫機能の向上や肌の健康に役立つと言われています。
また、ビタミンCは水に溶けやすい性質や加熱に弱い性質から、野菜類では損失してしまい摂取しにくいと言われています。
しかし、果物は生のまま食べることができる食材のためビタミンCの摂取源としてうってつけです。
果糖
果糖は、バナナやブドウ、りんごなどに多く含まれる自然の糖分で、他の糖分と同様にエネルギー源として利用されます。
果物は、エネルギー源となる果糖と、体内での栄養素の代謝を助けるビタミン類が損失少なく摂取できるため、エネルギー補給などにも効果的な食材です。
野菜の代わりに果物はNG?
野菜と果物には、似た栄養素が含まれていますが、どちらにも良い点、悪い点があるため、すべてを置き換えることはできません。
そのため、野菜を少しずつ食べられるようになるための工夫をしながら、足りない栄養素を果物で補ってあげることが効果的です。
まとめ
野菜と果物に多い栄養素と、野菜の代わりに果物を食べることは良いのかについて紹介してきました。果物に限った話ではないですが、基本的に同じような食品ばかり食べていては栄養バランスが崩れますので、幅広い食品をバランスよく食べることが健康のためには重要です。
野菜が苦手な子供には、果物をうまく使いながら栄養素を補給し、野菜が食べられるようになる工夫もしてあげましょう。
AUTHOR
中村友也
フリーランス管理栄養士。 私立大学の管理栄養士養成課程を卒業後、新卒で高度急性病院で栄養管理、栄養指導に従事。栄養指導件数は300件以上。その後独立しフリーランスへ。 現在は管理栄養士としての知識や経験を活かし、ライターとして健康、栄養ジャンルの記事を執筆。 また、自身の体験を元にしたブログの運営やコミュニティの代表も務めている。
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