“想定外の不安”とどう向き合うべきか?美容整形の例から考える|心理師が提案
美容整形は、以前と比較して広く知られるようになりました。SNSや広告で「手軽」「ダウンタイムが短い」といった言葉が並ぶ一方で、実施後に予想外の反応に直面し、不安を抱えるケースも少なくありません。 今回は想定外の不安と向き合う方法について提案します。
予想外の身体の反応はなぜ起きるのか
広告などで「手軽」「ダウンタイムが短い」といわれている施術でも、実際に施術を受けた人の中には「思っていたより腫れが強い」「感覚が鈍い」「違和感が続く」といった予想外の反応が起こることがあります。美容整形後には、多かれ少なかれ身体に変化が現れます。腫れ、内出血、しびれ、感覚の鈍さ──いずれも回復の過程で起こる可能性があるものです。ただし、その程度や回復のスピードは人によって異なります。友人の体験談やSNSで見た情報と比べ、「自分だけ違うのでは」「これは失敗なのでは」と不安が一気に高まることもあるでしょう。
想定していなかった症状に直面すると、人は「このまま治らなかったら」と未来を悲観しがちです。
不安を抱えるのは自然なこと
整形は「理想に近づくための前向きな行動」と同時に、「身体に変化を起こす医療行為」でもあります。人は予期しない変化に直面すると、心が揺さぶられるのは当然のことです。不安を抱えるのは弱さではなく、むしろ「自分の身体に起きている変化に敏感である証拠」ともいえます。大切なのは、不安を押し殺すことではなく、適切に扱うこと。不安とどう付き合うかで、回復過程の安心感は大きく変わってきます。
不安と向き合うためにできること
1. 正しい情報を得る
インターネット上には体験談や口コミが溢れていますが、極端なケースが目立ちやすいものです。医師や学会が発信している情報を確認し、正確な知識を持つことが安心につながります。
2. 少しの違和感でも相談する
「この程度で受診していいのかな」と迷う気持ちは自然です。しかし、腫れや痛みが強い、しびれがあるなど、症状が続く場合は自己判断せず医師に相談しましょう。早めの確認が結果的に安心をもたらします。時間の経過とともに回復していくものなのか、対処が必要なものなのか、必ず医療従事者の判断を仰ぎましょう。
3. 不安を一人で抱え込まない
美容整形は周囲に話しづらいテーマかもしれません。それでも、医療者や信頼できる人に率直に伝えることは大切です。術後の不安を言葉にするだけで、気持ちが軽くなることもあります。
整形前に知っておきたいこと
手術前に「不安になる時間がある」ことを想定しておくのも、実はとても有効です。
リスクを理解する
どんな施術にもリスクは存在します。「必ず成功する」「ノーリスク」という言葉には注意が必要です。
病院・医師選びを慎重に
実績や説明の丁寧さ、アフターケア体制をよく確認しましょう。「手術後に不安になったとき相談しやすいか」は重要な基準です。
心の揺れを想定する
「理想の姿に近づける」という期待と同時に、「予想外の不安を感じるかもしれない」と心づもりをしておくと、実際に不安が出てきたときに過剰に動揺せずにすみます。
美容整形は、予想外の身体反応や不安に直面するリスクは避けられません。経過の中で不安に押しつぶされそうなときは、正しい情報を得ること、少しの違和感でも医師に相談すること、そして安心できる医療体制をあらかじめ選んでおくことが大切です。美容整形に限らず、リスクがある行動をとる際に「不安とどう付き合うか」も準備しておくことをおすすめします。
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