(5)自分の著書が運んだスピリチュアルなケアマネさんとの出合い
親の老いに向き合うというのは、ある日突然はじまるものです。わたしの場合、それは父の“夜間の徘徊”というかたちでやってきました。これまでは京都での暮らしや移住生活のことを書いていましたが、その裏では東京にいる父の認知症が進行し、家族で介護体制をどう整えるかに奔走していました。介護というと、大変そう、重たそう…そんなイメージがあるかもしれません。でも、わたしにとっては、家族とのつながりを見つめ直し、人の優しさに心動かされることが増えた、そんな時間でもありました。 この連載では、認知症介護の体験を通して、わたしが出会った「幸せの秘密」を、少しずつ綴っていきたいと思います。
今度のケアマネジャーの居宅介護支援事業所(以下、事業所)は、実家のある自治体にありました。9月の秋分頃だったかと思いますが、わたしの上京に合わせ、新しい事業所で、新旧のケアマネジャーの引き継ぎが行われることになりました(ちなみに、介護保険では経費という発想はないですし、個人情報が満載の話なので、喫茶店等は使えないそうです)。
父の妄想で担当を降りることになった男性ケアマネジャーに、お礼を兼ねて、自分の本をお渡ししようかなとふと思い立ち、『星の道を歩き、白魔女になるまで~わたしの〝物語〟を見つけると人は癒される~』(説話社)を1冊もっていきました。すると、新しい女性ケアマネジャーが「星占い大好き、読みたいです」と言ってくださったので、その方にお渡ししたのですが、そこに、彼女の上司の所長さんが通りかかりました。
「新しい利用者さんの娘さんで、京都に住んでいるんですけど、星占いを書いていらして、この本も書いたそうですよ」と女性ケアマネジャー。すると、所長さんが「わたし、占いやスピリチュアルが大好きなんです。聖地も好きで、最近は、京都の真名井神社や籠神社、下鴨神社なんかもよく行っているんですよ」と、かなり〝ガチ〟なスピリチュアルフリークぶりを披露してくださったのでした。
まさかのスピリチュアルな所長さん! 利用者をもっているケアマネジャーでもあるのですが、さらに嬉しいことには、わたしがお渡しした本を読んで、手書きのお手紙や京都のスピリチュアル情報の詰まったメールをくださるなど……何ともありがたい交流が始まったのでした。

実は、こうしたシンクロニシティ(意味のある偶然)は、わたしの場合、よくあります。ことに医療に関しては多く、父が癌転移の疑いで都心の大学病院に入院したときも、目の前から白衣の知った顔が歩いてきて、「誰だっけ」と思ったら、その直前の週末、占星術のワークショップに来てくださった方だった、ということもありました。大学病院のソーシャルワーカーだったのですね。また、メタルフリーのインプラントに興味をもち、検査を受けに行くと、担当の女医さんがわたしの星占いの読者さんで、通いやすいエリアのクリニックを紹介してくださったなんてこともありました。
そして、このスピリチュアルな所長さんとのご縁にはのちのち本当に助けられることになります。
→【記事の続き】(6)ケアマネ選びには相性も。連絡が取れなくなったおふたりめ はこちらから
文/Saya
東京生まれ。1994年、早稲田大学卒業後、編集プロダクションや出版社勤務を経て、30代初めに独立。2008年、20代で出会った占星術を活かし、『エル・デジタル』で星占いの連載をスタート。現在は、京都を拠点に執筆と畑、お茶ときものの日々。セラピューティックエナジーキネシオロジー、蘭のフラワーエッセンスのプラクティショナーとしても活動中。著書に『わたしの風に乗る目覚めのレッスン〜風の時代のレジリエンス』(説話社)他。
ホームページ sayanote.com
Instagram @sayastrology
写真/野口さとこ
北海道小樽市生まれ。大学在学中にフジフォトサロン新人賞部門賞を受賞し、個展・グループ展をはじめ、出版、広告撮影などに携わる。ライフワークのひとつである“日本文化・土着における色彩” をテーマとした「地蔵が見た夢」の発表と出版を機に、アートフォトして注目され、ART KYOTOやTOKYO PHOTOなどアートフェアでも公開される。活動拠点である京都を中心にキラク写真教室を主宰。京都芸術大学非常勤講師。
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