「同じ方向を向く」ではなく“共鳴する”アーユルヴェーダ的パートナーシップの育み方

「同じ方向を向く」ではなく“共鳴する”アーユルヴェーダ的パートナーシップの育み方
Mami Nagata
永田舞美
永田舞美
2025-10-02

「旦那さんには、つい強い言葉をぶつけてしまう」 「ちょっとしたことなのに、どうしてもイライラが抑えられない」 多くの人が経験したことのある悩みではないでしょうか。家族やパートナーのように近しい存在だからこそ「時に冷たく接してしまう」「大切に思っているのに心の距離を感じてしまう」そんなもどかしさは、多くの女性の心を疲れさせてしまいます。 アーユルヴェーダでは、パートナーとの関係における心のゆらぎには、私たちの体質や心身のバランスが深く関わっていると考えます。今回は、より良好なパートナーシップを育んでいくために、アーユルヴェーダの観点からお話ししていきます。

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パートナーにだけ感情的になってしまう理由

仕事や友人には穏やかに接していられるのに、自宅に帰るとパートナーに対しては「強い言葉」を投げてしまう。実は今回のテーマのお悩みは、悩んでいる人が少なくありません。自分がそんな態度になってしまう理由に「自分自身のドーシャバランスの乱れ」が考えられます。ドーシャとは、アーユルヴェーダで心身のバランスを司っている3つ(ヴァータ、ピッタ、カファ)の構成要素と言われており、生活習慣によって簡単に乱れてしまうものです。このドーシャに注目すると、感情のゆらぎが理解しやすくなります。

①ヴァータ(風の要素)が乱れている場合

心は不安定になり、相手の何気ない言葉にも敏感に反応しやすい

②ピッタ(火の要素) が乱れている場合

完璧さを求めすぎて批判的になり、「どうしてわかってくれないの?」と攻撃的になりやすい

③カファ(水の要素) が乱れている場合

相手に依存してしまい、自分が求める反応と違った際に失望感を感じやすい

いかがでしょうか?
自分の傾向を探ってみるだけでも、解決の糸口が見えてくるかもしれません。
「パートナーとの衝突」は、相手そのものが原因ではなく、自分自身の心身の状態が大きく影響しているのです。

ドーシャについて詳しく↓)

「相手を変えよう」とするほど、実は関係が悪化する

パートナーシップで摩擦が生まれるとき、多くの場合「相手を変えたい」「相手のせい」という思いが根底にあると言われます。

「もっと家事を手伝ってほしい」
「気づかいの言葉が欲しい」
「大変さをわかってほしい」

そんな思いはありませんか?

もちろん、望むこと自体は自然であり、悪いことでもありません。
ですが「相手が変わればうまくいく」と思うほど、思い通りにならない現実とのギャップに、自分が苦しんでしまうのです。
アーユルヴェーダは、このようなときに「相手をコントロールするのではなく、自分を整えることに意識を向けるように」と教えてくれています。自分のドーシャが整い、心が安定してくると、自然と関係性にも落ち着きが生まれ、摩擦は減っていくのです。

私たちは違う人間だということを理解する

「考えを同じにする」という同じ方向を向くことが理想だと考える人は多いですが、アーユルヴェーダの智慧を活かしてみると、必ずしもそうではないことがわかります。大切なのは「相手と自分は違う人間である」ということ。ただ、違う価値観を持っていても、お互いの存在を尊重し合い「共鳴」できるようになると、心が楽になります。

自分自身の心身を整えることで関係が良くなる

そのために、まず自分自身の心身を整えることが第一優先です。
自分の意思で、相手をコントロールすることはできませんが、自分をコントロールすることはできるはず。自分を整える小さな意識が、ドーシャバランスを整え、相手を受け入れられる余白と安定をもたらしていきます。

ここからは、簡単に取り入れられる方法をご紹介します。まずは”自分を満たすセルフケア”を意識的に取り入れてみてください。

【ヴァータが乱れているとき】
・温かいハーブティーを一杯飲む(チャイや生姜湯がおすすめ)
・セサミオイルで耳や足をやさしくマッサージする
・夜は早めに照明を落として、静かな音楽を聴きながら休む
→ 「安心」と「温かさ」を増やすことが、相手への思いやりにつながります。

【ピッタが乱れているとき】
・動物性のものを控え、甘味や苦味、渋味のある野菜を使ったスープを取り入れる
・イライラしたら、深呼吸をして、少しの時間は目を閉じる
・就寝前に足裏にギーを塗る
→ 「冷静さ」と「ゆるみ」を取り戻してあげると、関係の調和を守れます。

【カファが乱れているとき】
・早起きをして、身体を動かす
・食事を軽めに、温かいスパイス(生姜、ブラックペッパー、クローブ)を取り入れる
・気分が沈んだときは、好きな音楽をかけて身体を揺らすだけでもOK
→ 「循環」と「軽やかさ」を取り戻すことで、相手への執着が和らぎます

耳のオイルマッサージは、どんな体質の方にもおすすめなセルフケアです↓

 

こうした小さなセルフケアを積み重ねることで、自分の内側に余白が生まれ、その状態が相手にも自然と伝わります。

「わたしが整えば、関係も整う」

アーユルヴェーダはそのための具体的なヒントを私たちに与えてくれます。
まずは今日、自分が喜ぶことを、自分に与えてあげてみてくださいね。

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