<自分に合う朝食の見つけ方>朝ごはん、食べる?食べない?アーユルヴェーダの視点から見た朝ごはん
「朝ごはんは一日の元気の源」といわれる一方で、「16時間ファスティングで朝は食べないほうが健康にいい」といった意見もよく耳にします。情報があふれる現代、朝食について迷っている人も多いのではないでしょうか。個性を生かすアーユルヴェーダでは、「自分に合う食べ方」を見つけるヒントを教えてくれています。今回は、体質やライフスタイルに合わせた朝ごはんの選び方を踏まえ、女性におすすめの簡単レシピをご紹介します。
16時間ファスティングは本当にいいの?
「16時間ファスティング」を聞いたことがある人、試したことがある人はいませんか?
一定時間食べないことで、胃腸を休め、代謝を整えようという考え方です。確かに、夜遅い食事が習慣になっている人や、食べ過ぎが続いている人にとっては、16時間ファスティングをすることで胃腸を休め、消化の負担を減らす効果が期待できます。
アーユルヴェーダでも、体内に「重さ」「滞り」を抱えやすいカファ体質の人や、未消化物が溜まっている人にとっては、内側をリセットする方法として効果的に活用できるものだと考えます。
一方で、すべての人に良いわけではありません。特に注意したいのは、ヴァータ体質の人や女性です。
ヴァータとは「風」と「空」の性質を持ち、軽さ・冷たさ・乾燥の質を持っています。このタイプの人が食事を抜くと、落ち着きがなくなったり、不安感や疲労感を強めてしまうことがあるのです。また、女性はホルモンバランスの変動が大きく、無理なファスティングは月経不順や冷え、エネルギー不足を招きやすい原因として考えられています。
アーユルヴェーダ的に見れば、「誰にでも16時間ファスティングがいい」わけではなく、自分の体質やライフスタイルの状況によって合う・合わないがあるということです。
アーユルヴェーダの視点から見た朝ごはん
朝ごはんは「何を食べたらいいのか?」という質問をよくいただきます。アーユルヴェーダでは、健康の鍵は「消化力(アグニ)」にあると考えます。どんなに良い食材でも、消化できなければ「未消化物(アーマ)」となり、あらゆる不調の原因になってしまうため、「消化できているか」が重要なのです。食事の基本は、「お腹が空いたら食べる」こと。これは前の食事がきちんと消化されているサインです。特に、朝の時間帯は、消化の火がまだ完全には高まっていません。そのため、無理にたくさん食べるよりも、スープやごはんとお味噌汁のような温かくて、消化に優しい食事を選ぶのが理想的です。もし、”朝から固形物を食べたくないな”と感じる日には、ドリンクで済ませてみるのも選択肢として持っておくこと。温めた牛乳(+ジンジャーやシナモンを入れてもOK)やハーブティー、白湯など、刺激が少なく胃腸を温めてくれるものがおすすめです。
女性におすすめの食材「黒胡麻」
最後に、忙しい朝でも簡単に作れる”滋養おにぎり”をご紹介します。
アーユルヴェーダでは、黒胡麻が滋養強壮の代表的な食材として知られています。特に女性にとっては、嬉しい作用があるのです。
(黒胡麻が持つ作用)
・鉄分やカルシウムが豊富で、月経による消耗を補う
・体に潤いを与え、冷えや乾燥をやわらげる
・「老化予防」に良いとされ、エイジングケアにも役立つ
月経や出産、更年期などでゆらぎやすい女性の身体をやさしく支えてくれます。
<簡単!黒胡麻ギーおにぎり>
アーユルヴェーダで万能オイルとされるギーと組み合わせることで、消化力を助けながら栄養を吸収しやすくしてくれます。
材料(1人分)
・温かいご飯 1膳
・ギー 小さじ1
・黒胡麻 小さじ1/2
・お醤油 小さじ½
・かつお節 一にぎり
たったこれだけで、消化に優しく、エネルギーを補う一品が完成です。シンプルながら心身をしっかり支えてくれます。
朝ごはんを「義務」から「選択」へ
みなさんにお伝えしたいのは、朝ごはんは「必ず食べなければならない」ものでも、「抜けば健康になれる」ものでもありません。
大切なのは、その日の自分の身体と心に合う食べ方を選ぶことです。
・疲れているときは、温かいスープやおかゆで優しくスタート
・夜遅く食べすぎた翌朝は、白湯だけで整える
・冷えやすい女性は、パンやサラダを辞めて黒胡麻やギーでエネルギーを補う
そんなふうに柔軟に調整していくと、毎日の食事がもっと心地よい時間になります。アーユルヴェーダは「みんな同じ」ではなく「あなたに合う方法」を教えてくれる叡智です。明日の朝は、自分の身体の声を聴きながら、心地よい朝ごはんを選んでみてくださいね。
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