蒸すと煮るのいいとこ取り!管理栄養士がすすめる「蒸し煮」の魅力

蒸すと煮るのいいとこ取り!管理栄養士がすすめる「蒸し煮」の魅力
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焼く・蒸す・揚げる・炒めるなど、食材の調理方法はさまざまですが、その中でもおすすめしたいのが「蒸し煮」です。食材のうま味をぎゅっと閉じ込め、油を使わずにヘルシーに仕上がるのが魅力。少ない調味料でも満足感のある味わいになります。この記事では、管理栄養士の視点から蒸し煮の魅力をご紹介します。

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蒸し煮とは?

蒸し煮は、「蒸す」と「煮る」を組み合わせた調理方法です。せいろや専用の蒸し器がなくても鍋ひとつで調理でき、煮物よりも少ない調味料で食材をおいしく仕上げられます。さらに、煮汁ごと取り入れられるため、食材の栄養やうま味を逃さないのが大きなメリットです。

蒸し煮の調理方法・やり方

1.食材を食べやすい大きさに切る。

2.鍋に水を少量入れて、食材を並べる。(水は食材の半分ぐらい浸る程度。)

3.蓋をして中火で加熱し、沸騰したら弱火にする。

4.食材が柔らかくなるまで加熱する。

蒸し煮のメリット

メリットのイメージ
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ノンオイルでヘルシー

油を使わないので余計な油を使わず、低カロリーに仕上がります。

栄養を逃がさない

茹で調理では水に溶けだしてしまうビタミンやミネラルも、蒸し煮なら煮汁ごと食べられるため効率よく摂取できます。蒸し煮は水分を加えて調理しますが、煮汁ごと残さず食べられるため、汁に溶けだした栄養を余すことなく取り入れることができます。

キャベツのビタミン残存率(蒸し30分ー茹で5~15分)

残存率 ビタミンB1 ビタミンB2
蒸し 73% 73%
茹で 43% 66%

にんじんのβカロテン残存率(蒸し・茹で共に6~10分加熱)

  蒸し 茹で
残存率 73% 87%

素材の味が引き出される

蒸し煮で加熱すると、食材のうま味が逃げずに凝縮。野菜や肉・魚の自然な風味が濃くなり、控え目な調味料でもおいしくいただけます。

食材別・蒸し煮のポイント

野菜

様々な種類の野菜をまとめて調理する場合、にんじんやじゃがいもなど固い食材が下に来るように並べ、キャベツやもやしなど水分が多い野菜を上に載せて加熱すると加熱ムラができにくくなります。

肉・魚

加熱するとパサつきやすい肉や魚も、水分を含ませながら加熱することでしっとり柔らかく仕上がります。お酒を少量加えることで臭み取りや柔らかさアップにも効果的です。野菜と交互に重ねて蒸し煮にすると、お互いのうま味が食材に移り、素材の味を活かした味わいになります。

殻付きの卵も蒸し煮でゆで卵にできます。たっぷりの水で茹でるより時短でガスや水の節約にもなります。水がなくならないように注意しながら調理しましょう。

果物

果物は加熱により甘みが増し、柔らかくなるので離乳食や介護食にもおすすめです。シナモンやはちみつを少し加えればそれだけでデザートになります。

まとめ

蒸し煮は、特別な道具がなくてもできるシンプルな調理法です。ヘルシーで栄養も逃さず、食材の味を引き立てる“いいとこ取り”の方法なので、日々の食卓にぜひ取り入れてみましょう。

【参考文献】

食品中ビタミンの調理損耗に関するレビュー(その1) (脂溶性ビタミン,ビタミンB1,B2,B6,B12

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