調理の工夫でダイエット!焼く、煮る、蒸す…もっともカロリーダウンできる調理法は?管理栄養士が解説
食材を油で揚げたから揚げやフライ、天ぷらなどは、エネルギーが高くなりやすいことは知られていますね。一方で、食材のエネルギーをカットできる調理法があることは知っていますか?この記事では、料理法によるエネルギーの違いを管理栄養士が解説します。食事を見直してダイエットしたい方は、ぜひ参考にしてください。
調理法で変わるエネルギー
「摂取エネルギーを抑えたい」と思ったときに気をつけたいのが、調理法によるエネルギーの違いです。「揚げ物は高カロリーで太りやすい」「蒸し料理はヘルシー」といったイメージはあるかもしれませんが、実際に調理法により料理のエネルギーには大きな違いが生じます。
一般的に、茹でる<網焼き<蒸す<煮る<炒める<揚げるの順で料理のエネルギーは高くなります。
例えば、生の豚ロース肉80gは198kcalです。これを茹でてしゃぶしゃぶにすると、エネルギーは180kcal程度にダウンします。一方で、衣を付けて油で揚げたとんかつでは、エネルギーは400kcalを超えてしまいます。調理法によりエネルギーにずいぶん差が現れることがわかりますね。
調理法ごとの特徴を知ろう
調理法ごとの特徴を知っておくと、摂取エネルギーを調整したいときに便利です。
茹でる:湯に食材の脂が溶け出るため、エネルギーをカットしやすい。
網焼き:網の隙間から食材の脂が落ちるため、エネルギーをカットしやすい。
蒸す:調理に油を使用せず、加熱により食材の脂が落ちるため、エネルギーをカットしやすい。
煮る:基本的に油を使用しないが、砂糖などの調味料を使うとエネルギーが上がりやすい。
炒める:油で食材をコーティングしながら調理するため、エネルギーが上がりやすい。
揚げる:油の中に食材を入れて調理するため、もっともエネルギーが上がりやすい。
「網焼き」とは、グリルや焼肉などで用いられる、食材を金網の上にのせて直火で加熱する調理法です。また「蒸す」は、せいろや蒸し器などで用いられる、水蒸気の熱を利用した調理法を指します。
この特徴を見ると、食材から脂が落ちる「茹でる・網焼き・蒸す」は、摂取エネルギーを抑えたいときに有効な調理法であることがわかります。
一方で、油を使う「炒める・揚げる」は料理のエネルギーが高くなりやすい調理法です。とくに揚げる調理は、食材中の水分が蒸発し、水が抜けて空いた部分に揚げ油が入り込むことから、エネルギーが高くなる特徴があります。
また、同じ揚げる調理法でも、天ぷらやフライは分厚い衣が油を吸収するため、エネルギーが高くなりがちです。一方で、衣が薄いから揚げは比較的エネルギーが抑えられます。とはいえ「揚げる」調理に変わりはないので、から揚げも食べすぎには要注意です。
調理法で摂取エネルギーを抑えるには?
料理のエネルギーを抑えるなら「茹でる・網焼き・蒸す」調理法がおすすめです。これらの方法で肉や魚を調理すると、余分な脂を落とせます。「煮る」調理も、調味料の使用量を調整すればエネルギーを抑えられます。
「炒める」調理でエネルギーを抑えるには、炒め油の使用量を少なくしましょう。テフロン加工のフライパンを使用すると、少ない油でも焦げつきにくくなります。また、脂が多い肉は茹でてから炒める、炒めて食材から出てきた脂をペーパータオルで拭き取るなどの方法も、エネルギーカットに有効です。
「揚げる」料理のエネルギーを少しでも減らしたいときは、表面積を意識しましょう。揚げる食材の表面積が大きいと、揚げ油と接しやすくなり、油の吸収量も多くなります。たとえば、かき揚げは表面積が大きく、エネルギーが高くなりやすい料理のひとつです。
また、衣が分厚いと揚げ油を吸収しやすくなります。そのため、自宅で揚げ物を作るときは衣を薄くするように気をつけると、ある程度は摂取エネルギーを抑えられます。
摂取エネルギーを抑えたいときも、できる限り食を楽しみたいですよね。脂が気になる肉や魚も、調理法を変えるとヘルシーに食べられます。自分に合った調理法を選び、無理なく摂取エネルギーを抑えましょう。
【参考文献】
厚生労働省 e-ヘルスネット「調理方法によるエネルギーの違い」
山梨県厚生連健康管理センター「調理法で賢くエネルギーコントロール!~調理のポイントと水炒めの紹介~」
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く