春キャベツの季節!絶品蒸しキャベツのねり胡麻ソース|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。
みなさん、おはようございます。本日から二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」を迎えました。これはどんな時期かというと、気温がしだいにやわらいでいくにつれ、日射しも温かくなり、大地が暖まっていきます。そうすると、冬ごもりをしていた虫たちが目覚め、地上へと這い出ていきます。冬のあいだまったくといっていいほど姿を見かけなかった虫たちと、ぱったり出くわすことが増えていきます。見かけてもいやな顔をせずに、春の訪れを分かち合うつもりで久しぶりのあいさつをしましょう。冬の沈黙を破っていのちがうごき出し、風も草木も動物もみないっしょに喜びの季節を迎えたのです。
今日は、旬を迎える春キャベツのお話。葉が何枚もびっしり重なっておもたくなる、寒玉とよばれる冬キャベツに対し、三月から五月ごろにかけて出回るものが春キャベツ。春キャベツというひびきは、なんだかかろやかで素敵ですね。葉の巻きがふんわりとしていて、やわらかい。とても甘く、みずみずしいのが特徴です。
ケールやブロッコリーとおなじアブラナ科のキャベツは、その栄養分や効能がさまざまな面で注目されています。キャベツといえばまず、ビタミンCや食物繊維が豊富。ビタミンCのサプリメントも手軽なところはいいですが、一日に旬のキャベツの葉を二、三枚食べる方がずっと美味しくて、ビタミンCもちゃんと摂れます。さらにキャベツの成分にはビタミンUというあまり聞き慣れない成分があって、これが胃の粘膜を再生するはたらきがあるんです。胃の弱いひと、胃炎や胃もたれなど慢性的な胃の不調を抱えているひとには、おすすめの食材といえそうです。
さて、手間もかけず美味しさも栄養も存分にいただく調理法ですが、キャベツの栄養分をしっかりいただくには、ざく切りにしてさっと蒸すのがおすすめ。千切りもいいのですが、水にさらしたときに断面から栄養素が逃げやすいので、ほどほどがいいと思います。春キャベツはそのみずみずしさから生食にも向いているので、ぱりぱりキャベツサラダなんかにして生でいただくのも栄養の吸収においては良いのですが、生では冷えやすいという方や、生野菜独特のえぐみを感じやすいという方が食べるのは少々むずかしいかもしれません。
なので、春先とはいえまだ寒さも残る今の時期は、かるく蒸すという調理法が体も冷やさず、栄養素もできるだけ逃がさずいただくにはいちばんおすすめしたいところです。汁ごとすべていただけるスープでもいいんですけどね。かるく蒸したキャベツはなにせ歯ごたえがいいんです。
蒸気のあがった蒸し器に、ほんの2〜3分キャベツを入れて蒸すだけ。キャベツがほんのり汗をかいてしんなりとしてきたら、取り出します。新鮮な春キャベツは何もつけずにそのまま食べてもびっくりするくらい甘くて、美味しい。まずはそのものの味を楽しんでみて下さい。少し飽きてきたら、わたしのおすすめの味付けをぜひお試しあれ!それは、練り胡麻をぴーっとまわしかけます。チューブ状のものだとやりやすいです。そこにお醤油をひと垂らし程度、そして自然塩をぱらぱら。これは絶品です。ニュートリショナルイーストがあれば、さらさらっとふりかけると、ちょっとチーズのようなコクのある風味になってこれもまた美味しい。気負わずすぐに作れて、今だけの野菜の甘みと旨味を堪能できる副菜なので、ぜひおうちで作ってみてくださいね。
AUTHOR
関根愛
俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く