花粉症やドライアイ…春先に多い目のトラブルに菊花茶|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん

 花粉症やドライアイ…春先に多い目のトラブルに菊花茶|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
Megumi Sekine
関根愛 
関根愛
2022-02-26

SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。

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みなさん、おはようございます。もうすぐ三月、初春もおわりに近づく頃ですね。七十二候の〈草木萌動-そうもく、めばえいづる-〉という時期がやってきます。読んで字のごとく、草が萌え、木々たちが芽吹いていくとき。立春から今まで、東風(はるかぜ)という肌で感じる春だったものが、草木の芽吹きによって視覚的に感じる春へと色濃く変化していきます。草木の芽生えは、何かが始まろうとしているということ。冬のあいだじっとしていたものがその秩序を破り活動へと向けて目覚めていくのは、自然界と繊細に繋がり合っているわたしたちの内面も同じです。

さて、そろそろ花粉症持ちの方にはつらい時期がやってきます。ここぞとばかりに数々の花粉症関連の商品がお店に出回るのですが、対処療法をくり返すだけでは、毎年続くつらさからは一向に逃れられません。生活を見つめ直し、身体の内側から変えていく必要があると考えています。逆にいえば、養生を根気づよく続けることで、体質は変えられるということだと思います。春は目覚めの季節で、よいものもわるいものも、溜め込んだものが形として表れるとき。花粉症という形として表れてくるのは、特に前の季節の過ごし方、ひいては普段の過ごし方を見直してください、という身体からの大切なサインなのです。

今日ご紹介したいのは、菊花(きっか)です。菊の花の部分を乾燥させたものを菊花といい、キク科の植物です。中国でははるか昔から漢方の生薬として使われてきました。ハーブティーのカモミールを知っている方は多いと思いますが、これも菊花と同じキク科ですね。この菊花を煮出して、飲用としていただきます。菊花にはビタミンAをはじめとした目の健康を保つために必要な成分が多くふくまれているため、花粉症だけでなく目を酷使する生活によって起こる眼精疲労や充血、ドライアイなどのトラブルがあるときにも効果が期待できます。菊花には体内にこもったままの熱を発散させる清熱作用があるので、目の炎症やかゆみも和らぐはずです。気をつけたいのは、身体を冷ます効能があるので冷え性の方はショウガなどの身体を温める食材と一緒に摂ることが望ましいこと。またキク科の植物にアレルギーのある方もご注意ください。

気になるお味は、さわやかな苦みと甘みが特徴。香りはやや強めです。じっくり煮出してしまうと香りも味もかなり濃くなり飲みにくくなってしまうので、菊花茶の場合は2、3分で充分だと思います。好みにもよりますが、菊の花って美味しいのかな?と思うわりには意外と飲みやすいです。菊花だけだと苦手な方は、緑茶や紅茶、またはプーアール茶などとミックスして、ブレンドティーとして楽しむ方法もあります。菊花の熱を散らす作用は、春先に起こりやすいイライラやストレスの軽減にも大いに有効です。春は環境の変化による不安定な心境を経験する人も多く、また自律神経のはたらきを担う「肝」が影響を受けやすい季節ですので、そういった症状がいつもより起こりやすいとき。菊花茶で気持ちを落ち着けながら、同じく春先に目立つ目のトラブル対処にも役立て、澄んだ目(心)をもって新しい季節を迎えていきましょう。
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関根愛 

関根愛

俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。



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