立春は「青菜」と「酸味」で食養生|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん

 立春は「青菜」と「酸味」で食養生|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
Megumi Sekine
関根愛 
関根愛
2022-02-05

SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。

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みなさん、おはようございます。いよいよ立春を迎えましたね。いよいよ寒が明け、旧暦の春です。ひと巡りして、またゼロへと還ってきた季節。冬のあいだ眠っていたものがしだいに目覚め、夏へと向かって生命力をあふれさせながら成長していく、そのはじまりとなる肝心なときです。ところで、際立って大切であることを「肝心」といいますが、春と関係が深い臓器は「肝」といわれています。そんな春の養生には「肝」を労ってあげるものがぴったり。今日は、「肝」を意識した養生メニューをご紹介します。

「肝」の役割は、からだの気の巡りを良くすること。気の巡りがわるいと血流もわるくなり、疲れやすく、からだじゅうに力が湧いてきません。せっかく季節が芽吹きへと向けって歩みを始めようとしていくときなのに、からだやこころが同じように伴っていかないのは、つらいものです。そうならないために、食生活でできることを少しづつでも心がけていきましょう。今摂りたい食材は「青い野菜」と「酸味のあるもの」です。

「青春」ということばもありますが、春は「青(緑)」の野菜の季節。中でも冬のあいだあまり食べなかった青菜には、とくに「肝」を活かしてくれる働きがあります。代表的なのはニラ、春菊、菜の花も春らしくていいですね。ほうれん草や小松菜などのふだん使いの青菜もいいでしょう。さっと湯がいて自然塩だけで食べてみる。野生のままのやさしい苦みをまずはぜひ味わってみてください。

また五味のなかで「肝」と同じ春に該当するものが「酸味」です。梅干しをはじめとして、トマトやレモンなどの自然な酸味を意識して摂ってあげることがこの時期の養生となります。天然醸造のお味噌も、良質な酸味です。じっくり熟成された化合物なしのお味噌でつくるお味噌汁に、前述の青菜とミニトマトを入れてあげるだけでも、春にふさわしい養生食になります。生のトマトは冷えやすいので、今くらいの時期なら温かくして食べるのも美味しくて好いですね。

最後に気をつけたい食べものをひとつ。「肝」に該当する感情は「怒」といわれます。「肝」の働きが過剰になってしまうとイライラしたり、落ち着きがなくなったりするもの。そんなとき、香辛料や唐辛子などの辛い刺激物や、油たっぷりの料理を食べてしまうと、ますます熱がこもって具合を悪化させてしまいます。スパイスたっぷりのカレーなどは、穏やかな気持ちのときに食べてみると好さそうですね。冬から春へと移ろっていくからだをいつもより少し繊細に意識しながら、穏やかに過ごしていきましょう。
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関根愛 

関根愛

俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。



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