冬の養生食材をくるっと巻いて、体がよろこぶ開運恵方巻|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。
みなさん、おはようございます。大寒の真っ最中、寒さは厳しいですね。身震いしてしまうほどつよい風が時折吹きますが、風邪など引かれていませんか?この寒さも、あとひと踏ん張り。来週はいよいよ旧暦の新しい一年がスタートです。そう、立春。その前には節分もありますね。新しい年を迎える前の日、分け目としてもうけられた日です。
今日は、立春の日に食べたい恵方巻を作ってみます。さまざまな具材をいれて色とりどりにしたり、海鮮巻きにしたり、はたまた味つきのお肉を入れて韓国のキンパ風にしたりなどアレンジも豊富ですが、今回作ってみたいのは冬の養生食材をふんだんに盛り込んだ、からだを思いやる養生恵方巻。陰陽五行では、それぞれの季節に該当する自然界の要素、そして臓器があります。冬は「水」。「腎」の季節ですね。いわゆる内分泌系が、今特に弱りやすい部位とされます。それぞれの時期に該当する臓器を労う食養生を心がけることが、次の季節を健やかに迎えるための鍵となるのですね。
冬の養生食は「黒色の食材」を積極的に摂ること。黒い色の食べ物は、内分泌系を整え、活性化する食材が多いといわれます。ざっとあげてみますと、主食なら、まずお雑穀の黒米がおすすめ。もちろん玄米もいいですね。麺類なら、お蕎麦。小麦の入っていない十割蕎麦であればなお良しかもしれません。パンであれば、全粒粉で作られたものや胚芽入りのものなど。全体的に色が黒、または黒に近いものを選びます。つまり未精白であるものです。
おかずに使いたい食材としては、ごぼうや黒豆、黒きくらげなどがあげられます。ひじきやこんぶ、海苔を始めとした海藻類もぴったり。調味料としてはふだんのお醤油に加え、色の濃い「八丁みそ」がおすすめ。いつものお味噌汁や味噌和えを作るとき、八丁みそに変えてみるだけでも良いですよね。体を温める陽性のエネルギーもつよいんです。また黒ごまも、さまざまなメニューに日頃から使いやすいので積極的に使えるといいですね。
さて、養生恵方巻にはこれらの黒色食材の中から包みやすそうなものを選びます。全体的な栄養バランスと彩りを考えて大豆ミート、にんじん、大葉をプラス。黒米を加えて炊いた玄米の酢飯を、巻きすに上に敷いた海苔の上にうすめに広げていきます。のせすぎると巻きづらいので、やや少なめに。上側の2センチ程度は、のりしろのためあけておきます。全体の真ん中よりやや手前側に具材をひとつずつのせ、ぎゅっと巻いたら、ゴムなどで巻きすごとしばります。五分ほど経って形が安定したら、できあがり。地味ながら滋養あふれる養生食材たっぷりの恵方巻を食べて、今年一年も健やかに過ごせますように。
AUTHOR
関根愛
俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。
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