疲れが取れない原因は“血の質”?運動・食事・呼吸で整える「40代からの血液ケア習慣|医師が解説
「なんだか最近、寝ても疲れが取れない…」。40代に入ったあたりから、こう感じることが増えてきていませんか?その原因は、血液の質が関係しているかもしれません。運動・食事・呼吸で整える“血液クレンジング習慣”について、医師が解説します。
20代や30代の頃は一晩寝ればスッキリ回復できたはずなのに、朝起きても体がだるい。
休日にゆっくりしても疲れが抜けない。
そんな状態が続くと、「年齢のせいかな…」「更年期かな?」と考えがちですが、実はその疲れ、血液の質が関係しているかもしれません。
血液は、体中に酸素や栄養を運び、不要な老廃物を回収してくれる、とても大切な存在です。
いわば、私たちの体を支える“ライフライン”。
でも、この血液がドロドロして流れが悪くなると、全身に酸素や栄養が届きにくくなり、疲れやすさやだるさにつながってしまいます。
特に40代以降は、代謝が落ちたりホルモンバランスが変化することで、血液が濁りやすくなる時期です。
さらに、運動不足やストレス、偏った食生活が重なると、血液の状態はますます悪化…。
たとえるなら、きれいな小川が次第にゴミで詰まり、よどんでしまうようなものです。
そんな血液のままでは、疲れがたまる一方で、肌のくすみや冷え、肩こりなど、さまざまな不調が次々と出てきます。
最近では「血管年齢」という言葉もよく耳にしますが、実際に40代以降では、実年齢より血管年齢が10歳以上も上回るケースも少なくありません。
「疲れが取れない」「朝からだるい」といった症状は、血液と血管のSOSサインだと思ってください。
そんなときにおすすめなのが、“血液クレンジング習慣”。
これは、薬や特別なサプリに頼るのではなく、日常生活の中で血液をスムーズに流し、質を整えていく考え方です。
今日から少しずつ取り入れていくことで、疲れにくい体とスッキリした気分を取り戻せます。
運動・食事・呼吸で整える血液ケア
血液の質を整えるには、「運動」「食事」「呼吸」という3つの柱がポイントになります。
難しいことはなく、ちょっと意識するだけで続けられるものばかりです。
① 運動:軽い動きで“血のめぐり”を良くする
血液はポンプである心臓だけでなく、筋肉の収縮でも押し流されています。
特にふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれるほど重要。
デスクワーク中心で足を動かさないと、血液が下半身にたまりやすくなり、むくみや冷えの原因になります。
激しい運動をする必要はありません。
- 朝や夜に10分のウォーキング
- 家事の合間にかかと上げ運動
- デスクワーク中は足首をグルグル回す
こうした小さな動きでも、続ければ血流がグッと良くなります。
運動を始めたその日から体が軽く感じる人も多いです。
② 食事:血液をきれいにする食材を選ぶ
食事は血液の質にダイレクトに影響します。
まず、控えたいものは以下の3つです。
- 揚げ物やスナック菓子などの脂っこい食品
- 白砂糖たっぷりのスイーツや清涼飲料水
- 塩分の多い加工食品やカップ麺
これらは血液をドロドロにする原因になりがちです。
一方で、積極的に摂りたいものはこちら。
★青魚(サバ、イワシ、サンマ)→EPAやDHAが血液サラサラに
★緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリー、パプリカなど)→抗酸化作用で血管を守る
★海藻・きのこ類 →食物繊維で余分な脂質を排出
食事は「完全に制限する」のではなく、「足し引きバランス」が大事です。
甘いものを食べたら次の食事は野菜中心にするなど、ゆるやかに調整しましょう。
③ 呼吸:深くゆっくりで血液が変わる
意外と見落としがちなのが「呼吸」。
呼吸が浅いと酸素がうまく取り込めず、血液が酸素不足になり、疲労が抜けにくくなります。
おすすめは、1日数回だけでもいいので「深呼吸」を意識することです。
- 鼻から4秒かけて息を吸う
- 口から8秒かけてゆっくり吐く
このとき、肩ではなくお腹がふくらむように意識してみてください。
深い呼吸は自律神経を整え、血流をスムーズにするだけでなく、ストレス軽減にも効果的です。
④ 睡眠:血液をリセットするゴールデンタイム
寝ている間は体の修復作業が進む時間帯。
特に午後10時から午前2時は「血液リセットのゴールデンタイム」とも言われます。
- 寝る直前はスマホやパソコンを控える
- 寝室は暗く、涼しく保つ
- 就寝1時間前にぬるめのお風呂に入る
これだけでも眠りの質がグッと上がり、翌朝の疲れの取れ方が変わります。
まとめ
40代以降に増えてくる「疲れが取れない」「体が重い」という悩みは、単なる加齢のせいではなく、血液の質の低下が関係していることがあります。
血液がドロドロになると酸素や栄養が全身に届きにくくなり、慢性的な疲労感が出ます。
運動、食事、呼吸を少し意識するだけで血液の質は改善できます。
睡眠も大切な“血液ケアタイム”です。
日々の小さな積み重ねが、将来の体調を大きく左右します。
「疲れやすいな…」と感じたら、それは体からのメッセージかもしれません。
特別なことをしなくても、生活習慣をちょっと工夫するだけで血液はきれいになり、体も心もスッキリ軽くなります。
今日から一歩ずつ、“血液クレンジング習慣”を始めてみませんか。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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