積極的に摂りたい!健康をサポートする優秀な油とは?【管理栄養士が解説】

健康によいオイルのイメージ
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鈴木亜子
鈴木亜子
2025-09-20

健康のために「油はできるだけ控えた方がいい」と思っていませんか? 確かに摂りすぎは肥満や生活習慣病のリスクにつながりますが、実は健康維持に役立つ油もあるんです。 そもそも油(脂質)はエネルギー源となるほか、細胞膜を構成したりホルモンの材料になったりするなど、体の機能を維持するためには不可欠な栄養素。つまり「どんな油を、どのくらい摂るか」が重要といえます。 この記事では、積極的に取り入れたい油となるべく避けたい油について、分かりやすくご紹介します。

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積極的に摂りたい!健康をサポートする油

油といっても種類はさまざま。その中には、体に良い働きを持ち、日々の食事に「積極的に取り入れたい油」もあります。

代表的なものは「オメガ3系脂肪酸」を豊富に含む油。オメガ3系脂肪酸をはじめとする「多価不飽和脂肪酸」は、生活習慣病の予防や認知機能のサポートなど、さまざまな効果が期待されています。

■亜麻仁油・エゴマ油・くるみ油など(含まれるオメガ3系脂肪酸:αリノレン酸)

■青魚(さばやさんまなど)の油(含まれるオメガ3系脂肪酸:DHA、EPA)

これらの油は熱に弱いので、加熱せずに摂るのがポイントです。植物性の油はドレッシングとして使用したり、料理の仕上げにかけたりといった食べ方がおすすめ。青魚は、新鮮なものをお刺身として食べるのが最も効率のよい摂取方法です。

そうはいっても生食にこだわりすぎると摂取しづらくなります。特に青魚は、今よりも摂取機会を増やすことが、オメガ3系脂肪酸の摂取を増やすコツですよ。

亜麻仁油と亜麻仁の種子
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なるべく避けたい…健康リスクにつながりやすい油

一方で、健康リスクにつながりやすい油も存在します。知らずしらずのうちに摂っていることも多いため、意識しておくことが大切です。

飽和脂肪酸を多く含む油

飽和脂肪酸は、肉類の脂身やバター、ラードなどに多く含まれています。コクや風味が魅力ですが、摂りすぎるとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の上昇を招くことがあります。

トランス脂肪酸

マーガリンやショートニング、またはそれらを原料とする加工食品(菓子パンやデニッシュ類、スナック菓子など)に多く含まれる傾向があります。

通常の食事で過剰摂取となるリスクは低いものの、過剰摂取により心臓病のリスクを高めるといわれているため、脂質に偏った食生活を送っている方は注意が必要です。

食パンにたっぷりと塗るマーガリン
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「体によい」とはいえ使う量には要注意

どんなに体に良い油でも、摂りすぎはカロリー過多につながります。炒め物の油を控えめにしたり、スプレー式オイルを活用したりと、工夫しながら「適度な量」を心がけることが健康維持のポイントです。

調理に使用する油の量は、1日大さじ1〜2杯を目安にしてみましょう。

まとめ

油は「悪者」ではなく、体に必要な栄養素のひとつです。大切なのは、質の良い油を選んで適量を摂ること。オメガ3系脂肪酸を含む油を積極的に取り入れつつ、トランス脂肪酸や飽和脂肪酸を含む油は控えめにしましょう。

毎日の食生活は、将来の健康を大きく左右します。使用する油の「質」を知ることで、健やかな日々を送ることにつながります。

 

【参考文献】

トランス脂肪酸に関するQ&A|厚生労働省

脂質異常症|健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~|厚生労働省

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