〈塩分クイズ〉醤油とソース、塩分が多いのはどっち?意外と知らない調味料の塩分|管理栄養士が解説
料理の味の決め手となる調味料。世の中にはたくさんの調味料がありますが、時折それらの塩分の多さが話題に上がります。今回は、とくに使う機会が多い「醤油」と「ソース」に注目し、それぞれの塩分量を比較しました。どちらの調味料により多くの塩分が含まれているのでしょうか?一緒に確認していきましょう。
全国に広がる減塩の取り組み
近年、各地で「減塩」への取り組みが広がっています。みなさんも、外食メニューや惣菜などで、減塩を意識した商品を見かけたことがあるのではないでしょうか?
塩分の摂りすぎは、高血圧をはじめとする生活習慣病の発症に関わっていることがわかっています。塩分が多い食品といえば、調味料や加工食品など。日本人はこうした食品を食べる機会が多いため、日常的に食塩の摂取量が多くなると考えられています。
減塩に取り組むことは、健康的な体づくりのために大切だと言えるでしょう。
塩分が多いのはソースよりも「醤油」!
そこで、今回は調味料の中でも口にすることが多い「醤油」と「ソース」の塩分量に注目してみました。今回取り上げるのは、私たちになじみのある6種類です。
それぞれ大さじ1(こいくち醤油・うすくち醤油・だし醤油・ウスターソース:各18g、中濃ソース・お好み焼きソース:各21g)あたりの塩分量(食塩相当量)を比較したのが以下の表です。
6つの調味料を比較してみると、最も塩分量が多いのは「うすくち醤油」、最も少ないのが「お好み焼きソース」になりました。全体的に、醤油のほうがソースよりも塩分量が多いことが分かります。
醤油の塩分量
ここから、それぞれの塩分量を細かく見ていきましょう。醤油に注目してみると、濃い色のこいくち醤油よりも、淡い色のうすくち醤油のほうが塩分量が多いですよね。
「色が濃いほど塩分量も多い」と感じるかもしれませんが、実はそうではありません。製造中に発酵して色が濃くなる現象を防ぐために、うすくち醤油にはより多くの塩分が使われています。
とはいえ、大さじ1程度であれば、こいくち醤油とうすくち醤油の塩分量の差は0.3gほど。大量に使うわけでなければ、塩分量のちがいを気にしすぎる必要はないでしょう。
続いて、醤油をベースにかつおだしや昆布だしなどを加えた、だし醤油。醤油とだしをブレンドしている分、だし醤油の塩分量は控えめです。
冷や奴やお刺身にかけたり、お浸しや和え物に使ったりと、だし醤油はこいくち醤油と同じような使い方ができます。料理との相性や個人の好みにもよりますが、だし醤油を上手に取り入れれば、おいしさをキープしながら食事の塩分を抑えられるでしょう。
ソースの塩分量
次に、ソースの塩分量に注目してみましょう。サラサラとした質感のウスターソースに対し、ウスターソースにほどよくとろみをつけたものを「中濃ソース」と呼びます。お好み焼きソースは、中濃ソース(もしくは、さらにとろみの強い「濃厚ソース」)の一種です。
ソース同士を比較すると、とろみが強いほど塩分量が少ないことがわかります。しかし、そこまで大きな差はなく、どのタイプのソースも比較的塩分量は控えめです。また、全体的にソースはしょうゆよりも塩分量が少ないことがわかりました。
普段料理にかけている醤油をソースで代用すると、グッと塩分を減らすことができます。料理との相性が悪くない場合には、試してみるとよいでしょう。また、ソースも醤油も「減塩タイプ」のものが売られているため、そちらを使うのも減塩の工夫になりますね。
まとめ
塩分が多い「醤油」も塩分が少ない「ソース」も、日本人の食卓には欠かせない調味料です。上手に使い分けながら、健康的な体づくりの第一歩として、「今よりも塩分を控えること」を実践してみてはいかがでしょうか。
【参考文献】・文部科学省,日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
AUTHOR
藤倉詩織
管理栄養士。【予防医療】にかかわりたいという思いから、大学卒業後は健診センターに就職。メタボリックシンドロームや生活習慣病の方への栄養指導・特定保健指導を経験し、現在はフリーランスの管理栄養士・ライターとして活動中。
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