体に良さそうだけど…「オリーブオイル」注意が必要な人の特徴とは?管理栄養士が解説

 体に良さそうだけど…「オリーブオイル」注意が必要な人の特徴とは?管理栄養士が解説
photo by Yuuki
西迫祐希
西迫祐希
2025-06-20

オリーブオイルは、オリーブの果実から採油され、オレイン酸という1 価の不飽和脂肪酸が多く含まれます。酸化しにくい特徴があり、パスタやソテー、アヒージョなど火を通す料理にもよく使われます。そのまま熱を加えずにサラダやパンに使うと、爽やかな香りがより引き立ちます。元々ヨーロッパで広く使われていますが、今では日本人の食生活に馴染み深い油の一つです。 エクストラバージンオリーブオイルは、採油方法やその組成により“ヘルシーで健康や身体に良い油”として知られています。魅力的なフレーズですが、多ければ多いほど良いというわけではありません。今回はオリーブオイル(脂質)について管理栄養士が解説します。

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脂質の摂取量は増加傾向

身体に必要な栄養バランスを示す指標の1つに、「エネルギー産生栄養素バランス」があります。3つの栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)で構成され、それぞれ目標の比率が設定されています。日本人の総エネルギー摂取量に占める脂質の摂取割合は年々増加し、約4割の方が脂質の摂取目標量を超えています。つまり、一定数の方が油を摂りすぎていることになります。

オリーブオイルの摂りすぎに注意が必要な人

肥満や生活習慣病などがある

オリーブオイルはあくまで「脂質」です。脂質は1gあたり9kcalあり、炭水化物やたんぱく質の2倍以上のエネルギーをもちます。そのため、摂りすぎは体重増加のリスクになります。

特に、脂質の摂取制限が必要な疾患(膵臓の疾患や胆石など)をもつ方については注意が必要です。医師や管理栄養士に相談しましょう。

肉の脂身・乳製品をよく食べる

脂身の多い肉(豚バラ、サーロインなど)、鶏皮や内臓、肉加工品(ベーコン、ソーセージなど)、乳製品(牛乳、チーズなど)、油脂(バターなど)には脂質が多く含まれます。これらの食品をよく食べる場合は、脂質の摂取量が過剰になる可能性があります。

揚げ物をよく食べる

揚げ物は食材に含まれる油脂だけでなく、揚げ衣に吸油する油を同時に摂取することになります。例えば、鶏の唐揚げ1個あたり約小さじ1杯の油が吸油されています。揚げ物を食べる機会が多い方は脂質を摂りすぎている可能性があるため注意しましょう。

揚げ物・乳製品イラスト
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洋菓子・スナック菓子をよく食べる

ケーキやチョコレート、アイスクリーム、クッキーなどの洋菓子や、スナック菓子には脂質が多く含まれます。食事を少なめにしてお菓子を食べられる方や、毎日「おやつの時間」がある場合は、脂質を摂りすぎている可能性があります。栄養成分表示を確認し、エネルギーと同時に、脂質の量にも注目しましょう。

ナッツ・アボカドをよく食べる

オリーブオイルと同じく、“健康に良い食品”として知られているナッツやアボカドですが、主な栄養素は「脂質」です。これらの食品を日常的に摂る場合、脂質は十分に摂取できている可能性があります。

スイーツ・ナッツイラスト
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管理栄養士のワンポイントアドバイス

油は、調理で使用する油以外にも、肉、魚、大豆、卵、乳製品など多くの食品に含まれています。

油の適量は人それぞれ違いますが、特に厳格な脂質の摂取制限がない方については、オリーブオイルは1日あたり大さじ1杯程度(1食あたり小さじ1杯程度)の使用に留めましょう。

ポイントは、オリーブオイルを“追加する”のではなく、普段摂っている油と“置き換える”ことです。日常の食事にうまく取り入れましょう。

 

【参考】

・食品成分表2024

・日本人の食事摂取基準(2025年版)

・厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査」001435384.pdf

・動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版【日本動脈硬化学会】

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