捨てるところがない?ココナッツ食材の魅力とは|管理栄養士が解説

 捨てるところがない?ココナッツ食材の魅力とは|管理栄養士が解説
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松田 真紀
松田 真紀
2022-01-06

今人気のココナッツ商品いろいろ。ココナッツオイル、ココナッツミルク、ココナッツシュガーなどなどココナッツは捨てる部分がないすばらしい食材。また、それぞれの部位によって含まれる栄養素と効果も異なります。今回は、ココナッツの魅力や日本で手軽に入手できるココナッツ商品をご紹介します。

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ココナッツって、なに?

ココナッツとは、ヤシ科ココヤシ属・単子葉植物の「ココヤシ」という高木にできる「椰子の実」。主な産地はインドネシアやフィリピンなどで、日本で出回っているココナッツ製品のすべては海外産です。

ココナッツの健康&美容効果とは

腸を整えて、便通改善・美肌・メンタルケア

ココナッツフレークやココナッツチャンク、ココナッツパウダーには食物繊維が多く含まれています。腸内環境を整えることで便通改善ができ、美肌やダイエット、メンタルケアにもつながります。

食欲抑制でダイエットが楽に

脂肪分を含んでおり満腹感の持続性が高いので、食べ過ぎ予防につながります。ココナッツに含まれる中鎖脂肪酸はエネルギーになりやすく、体に溜まりにくいダイエットにうれしいオイル。

血糖値の急上昇を抑えて、中性脂肪をつきにくく

ココナッツフレークやココナッツパウダーに含まれる食物繊維は、血糖値の急上昇を抑えてくれ、ダブルのダイエット効果が。

疲労回復ほのかな甘さも嬉しい

ココナッツウォーター1カップあたりの糖質は約9g。ほのかに甘さがあり、量も適度で、吸収効率の高い糖質なので、スポーツの後や疲れの回復にスピーディーに。筋力の収縮をスムーズにするマグネシウムも含むのでリセットドリンクにも優秀。

むくみ予防。

水分代謝を促すカリウムが含まれているため、むくみ予防にも。

オイル・ミルク・パウダー……それぞれの魅力は?  

ココナッツオイル

ココナッツの種子内部の胚乳から抽出し、精製したものがココナッツオイルです。エネルギーになるスピードが早く、体に溜まりにくい「中鎖脂肪酸」。食後早いタイミングから満腹感をキープでき、空腹や食べたいという衝動を抑えてくれます。ココナッツオイルは大さじ1杯120kcalほど。

MCTオイル

ココナッツオイル自体は甘い香りで、冷えると固ります。ダイエットコーヒーなどで話題のMCTオイルは、ココナッツオイルから中鎖脂肪酸のみを抽出したもので無味無臭。MCTオイルは冷えても液体のままなので、ココナッツオイルと比べて使いやすいこともメリットのひとつ。

ココナッツウォーター

若いココナッツの中に含まれている透明な液体で、カリウムやミネラルを豊富に含むため、スポーツドリンクとしても。ココナッツウォーターは100ml20.1 kcalほど。

ココナッツミルク

天然の甘さもコクもある低糖質なミルク。成熟したココナッツの種子の固形胚乳を細かく粉砕し、水と一緒に弱火で煮込んだものです。ジュースやスイーツ、カレーなど料理に最適で、タイカレーのように小麦や牛乳の代わりに料理に使うと上手に糖質を抑えることができます。飲料タイプとタイ料理などに使用される調理用の缶入りココナッツミルクがあり、調理用のココナッツミルクはとくに脂質やカロリーが高いので、ダイエット中の脂質の摂りすぎに注意。100g150kcalほど。フィリピン発祥のデザート「ナタ・デ・ココ」はココナッツ果汁(脱脂したココナッツミルク、ココナッツウォーター)を発酵させてゲル化したもの。

ココナッツチャンク、ココナッツパウダー

成熟したココナッツの種子の固形胚乳を削って砕いたものが「チャンク」。細かく粉砕し、乾燥させたものが「パウダー」。ココナッツは低糖質なので、ヨーグルトに加えたりココナッツクッキーにまぶしたりとスイーツにもぴったりです。そのまま食べられるココナッツチャンクは、砂糖不使用を選べばダイエット中のおやつにおすすめ。
選ぶ際は余計なものが入っていないかチェックして。油で揚げたもの、塩や砂糖などを添加したものもあるので注意が必要です。

ココナッツシュガー

ココナッツの花の蜜を煮詰めて作った天然甘味料がココナッツシュガー。GI値が35と上白糖や黒糖、メープルシロップなどと比べて低く、血糖値の急上昇がゆるやかな低GI商品です。糖質制限中でも安心して使える「天然の甘さ」のひとつ。

摂り過ぎに注意したい!ココナッツに含まれる脂肪

エネルギーになりやすく脂肪燃焼に役立つ働きは認められてて、低糖質ではありますが、脂質の摂り過ぎでカロリー過多になれば太る原因になります。1日あたりの摂取量の目安は、ココナッツウォーターはコップ1杯、ココナッツミルクなら100ml、ココナッツオイルやパウダーは大さじ1程度に留めておきましょう。

ココナッツのデメリットは「熱に弱いこと」

ココナッツウォーターは熱に弱いカリウムを含むので、ホットにせず常温がベター。

ココナッツオイルやミルクに含まれる中鎖脂肪酸は、25℃以下になると固まる性質があるため、常温保存がマストです。冬場など室内が低温になって固まってしまった場合は、ビンごと軽く湯煎すれば液体状に戻ってすぐに使えます。

 

余すところなく食べられる優秀な食材・ココナッツ。オイルやミルクなどさまざまな商品が発売されています。それぞれの魅力を理解して、上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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AUTHOR

松田 真紀

松田 真紀

1972年、兵庫県生まれ。管理栄養士。日本抗加齢医学会認定指導士。アスリートフードマイスター3級。女子栄養大学卒業。株式会社バードワークス代表取締役。1994年、明治乳業株式会社入社。その後、電通など広告代理店勤務を経て、2014年、スポーツと健康に特化した「食プロデュース」を行なう株式会社バードワークス設立。自ら18才から15年以上20kgの体重増減、摂食障害に。苦しいダイエット生活の末辿り着いた、外食、コンビニ、レンチン、OK!ラクして食事を楽しむダイエットを提案する管理栄養士として300以上の施設団体など多方面で活躍中。著書『居酒屋ダイエット』(三笠書房)。趣味はトライアスロン、100kmウルトラマラソン、フルマラソン、全米ヨガアライアンス200習得中。



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