【知って得する栄養学】高野豆腐はたんぱく質が豊富?乾物の意外な栄養を管理栄養士が解説
高野豆腐に含まれる栄養や、その使い方をご存知でしょうか? 高野豆腐は、日本に古くからある栄養の宝庫である食品。ぜひこの栄養素を知って、うまく食卓に入れていきましょう!
高野豆腐には、いつまでも若くいたい方必見の栄養素がたっぷり詰まっています。
今回は高野豆腐に含まれる栄養素とその活用方法をお伝えいたします。
意外?高野豆腐に含まれる栄養
たんぱく質
高野豆腐の一番の栄養素はたんぱく質で、その量は全体の50%を占めます。よく食べる木綿豆腐や絹ごし豆腐などには水分が多く含まれていますが、高野豆腐は水分が少ないため、その分、重量に対してたんぱく質の割合が高くなっています。そのため、たんぱく質を摂りたい方にとって高野豆腐はとっても優秀です。
たんぱく質は身体の構成成分で、筋肉や骨やホルモンなどの生成に欠かせません。若くいたい方はもちろん、病気の予防や、疲労の回復にもたんぱく質を欠乏することなく摂ることが大事になります。ぜひ積極的に摂っていきましょう。
大豆サポニン
大豆サポニンは、大豆に含まれる苦味や渋みの主成分です。
このサポニンには強い抗酸化作用があり、活性酸素を除去し、脂肪の酸化を防ぎます。また免疫機能の向上なども期待ができます。
大豆イソフラボン
女性の美しさや若々しさを語る上で欠かせないのが、エストロゲンです。エストロゲンは、加齢とともに分泌量が減少してしまいます。更年期、閉経を迎え、後に「更年期障害」と呼ばれる体と心のトラブルにつながることがあります。つまり、女性が健やかに生きていくために、エストロゲンはとても大事な要素だと言えるのです。
このエストロゲンに似た働きをするのが、大豆イソフラボンの特徴。エストロゲンの不足を補い、トラブルの予防してくれます。
*ちなみに、大豆イソフラボンは腸内でエクオールというものに変換されることが条件となり、大豆イソフラボンからエクオールを生み出すために必要な腸内細菌を持っているのが、日本人女性では2人に1人だけだというデータがあります。
そのため、もし知りたい方は、エクオールの検査をして見ることをお勧めします。もし生み出されないということが分かりましたら、その働きをサポートする補助食品も販売されておりますので、ぜひご検討ください。
カルシウムや鉄分
現代人が不足しやすいカルシウムや鉄分は豊富に含まれております。
カルシウムは、骨や歯を作るのに欠かせないミネラル。筋肉を動かしたり、精神の興奮をおさえ安定させる効果もあるので、人間にとって大切な栄養素です。鉄分は、酸素を全身に運ぶために欠かせないミネラルです。そのため、不足すると酸素を上手く取り込めずに筋力低下や疲労を感じる原因にもなります。こういった不足しやすいミネラルがぎゅっと詰まっている高野豆腐は栄養満点の食材といえますね。
調理のポイントは?
独特の匂いが気になる時は
高野豆腐の独特の匂いが気になる方も多いのではないでしょうか。
匂いが気になる時は、高野豆腐を水戻しした際に、絞った水が透明になるまで3~4回繰り返し絞ることをお勧めします。繰り返し絞ることで臭いがかなり抜けますし、味しみもよくなります。
すりおろして使う
独特の匂いが苦手な方はもちろん、煮物や炒め物などの無難な調理方法では飽きてしまうといった方は、すりおろし調理を試してみてください。
水で戻す前の硬い状態のまま、おろし金ですりおろして、粉状の高野豆腐にします。その粉をハンバーグや肉団子や、つみれのつなぎとして使用します。小麦粉と混ぜ合わせて調理することで、たんぱく質アップにも繋がり、たんぱく質の補給や低糖質調理をしたい方などにお勧めです。
動物性たんぱく質の食材と合わせる
高野豆腐は植物性たんぱく質です。動物性たんぱく質の肉や魚や卵と合わせることで、必須アミノ酸をバランスよく摂ることにも繋がりますし、体への吸収も良くなります。鶏肉と高野豆腐の煮物や、高野豆腐の卵とじなどぜひ組み合わせていきましょう。
またカルシウムや鉄分も豊富ではありますが、この2つのミネラルは吸収率が良くないミネラル。そのため、カルシウムの吸収をよくするために必要なビタミンDや、鉄分の吸収をよくするためのビタミンCを一緒に摂ることも大事です。
例えばビタミンDは魚に多く含まれますので、魚を焼いたものと高野豆腐の味噌汁などを組み合わせてみたり、ビタミンCが豊富な芋類を使用して、根菜と高野豆腐の煮物にして芋類と一緒に煮てしまうのもいいですね。
まとめ
高野豆腐は栄養がぎゅっと詰まった素晴らしい食品です。今は一口サイズの高野豆腐も多くのスーパーで売られておりますので、さっと水で戻して、様々な料理に入れてみてくださいね。
AUTHOR
佐藤彩香
管理栄養士、予防医学士。 企業や保育園で栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算、店舗運営を経験し、その後独立。実践型の栄養サポートを行い、プロアスリートからスポーツキッズ、ダイエット希望の方など累計5,000人を超える人々と関わる。現在はパーソナル栄養サポート、専門学校非常勤講師、セミナー講師、ライター活動、レシピ開発なども行いながら「あなたのかかりつけ栄養士」として活動している。
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