熱中症に詳しい【医師推奨】コンビニ氷で即冷え対策「ネックアイシング」のやり方とは?

熱中症に詳しい【医師推奨】コンビニ氷で即冷え対策「ネックアイシング」のやり方とは?
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2025年の夏は、統計以降最も暑い夏となった2023年、2024年に続き、再び猛暑となる予想。早い時期から熱中症への注意が必要です。熱中症になったらすぐに救急車を呼ぶか病院に行くことが重要ですが、熱中症にならないために、火照った体を即効で冷やす方法を、熱中症に詳しい新百合ヶ丘総合病院の伊藤敏孝先生にお伺いしました。

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首回りを冷やせば体が冷える!「ネックアイシング」を検証

「熱中症への備えは“水分補給”“塩分補給”に加えて“体を冷やす”ことも有効。体を冷やすためには、冷房が効いた場所への避難や、氷などで首回りを冷やす、冷たい飲み物を飲むといった行動が効果的です(腹痛になりやすい人は注意が必要)」(伊藤先生)

実際に氷で体がどう冷えるのか伊藤先生のアドバイスの元、サーモグラフィーを使った温度実験を行いました。結果は下記の通りです。

① 首回りを氷で冷やすのは、体全体を早く冷やすのに効果的
② 首回りの氷とハンディー扇風機を併用すると、氷のみの場合と比べてより冷える※
③ 手軽に体を冷やしたいなら、氷を入れた冷たい飲み物を飲むのも効果あり※

ネックアイシング

※比較のために「頭頂を冷やす」「ハンディー扇風機をあてるのみ」「常温水を飲む」の検証も行いましたが、変化は顕著に出ませんでした。 

氷を使って手軽にできる ネックアイシング術

外出先で暑さを感じたり、家から持って行った保冷剤やネッククーラーが温くなってしまったときに手軽に活用できるのが、コンビニやスーパーなどで購入できる氷です。「氷がとけた後は、手持ちのタオルを濡らして首回りを拭くのもおすすめ。コンビニの氷なら、とけた後もおいしく飲めるので、ごくごく冷たい水を飲むのもいいですね」(伊藤先生)

ネックアイシング3ステップ

①コンビニで氷を買う
※粒が細かい氷であれば、より体にフィットしやすい

②氷をビニール袋に入れ首の後ろと両横3点にあわせて、タオル等で包む

タオル
※ジッパー付きビニール袋をバッグに数枚常備しておくと便利!

③タオルを首に巻く

首に巻く
※大きめのハンカチや手ぬぐいでも代用可能 

ビニール袋やタオルが手元にないときは…購入した氷の袋をそのまま首にあててもOK!

※冷やす時間は、冷たすぎて不快に感じず、気持ちがいいと感じる程度を目途に!

気温が上がり出したら熱中症に注意が必要

伊藤先生は「温度がそれほど高くなくても湿度が高ければ熱中症になりえる」と注意を呼びかけます。「特に気温が上がり出した時期(5〜6月)が要注意で、それまでに体を暑さに慣れさせておく“暑熱順化”が重要です。塩っぽい“ネトネト汗”から“サラサラ汗”になれば、体が順応している証拠です」(伊藤先生)

スポーツやスポーツ観戦、フェス、キャンプなどの夏のレジャー時はもちろん、ちょっとした散歩のときなども、体に火照りを感じる前にこまめに「ネックアイシング」をして体を冷やしたり、冷たい飲み物を飲んだりすることが大事です。「アイシング」はもともと、炎症や痛みを抑えるための応急処置法のひとつですが、スポーツ選手は、熱中症を防止するための体温コントロールや疲労回復にもアイシングを活用しています。プロ選手の多くは、コンディションをベストに保つための手段として、アイシングを上手く活用しています。

教えてくれたのは…伊藤 敏孝 先生

新百合ヶ丘総合病院 救急センター センター長
救急医学のエキスパート。救急医。外科医。防衛医科大学卒業後、横浜市みなと赤十字病院救急部 部長を経て現職。「救急車を断らない」を理念に掲げ、地域医療に貢献している。メディア出演も多数。TV 番組で熱中症に関するコメントを行うなど、メディアでの熱中症対策の啓蒙・啓発も積極的に行っている。

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