ねばねば好き必見!おくらのねばねばを増やす調理方法|管理栄養士が解説

ねばねば好き必見!おくらのねばねばを増やす調理方法|管理栄養士が解説

独特なねばねば食感が特長の「おくら」。食欲が落ちる季節にもぴったりな食材です。このねばねばには栄養効果があることで知られていますが、調理法によっては粘りが失われたり、反対に粘りを強く引き出すことができます。この記事ではおくらのねばねばの正体と、粘りを引き出す調理方法について管理栄養士が解説します。

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おくらはなぜネバネバしているの?

おくらのネバネバ成分はペクチンやガラクタンといった水溶性の食物繊維によるものです。これらの成分が体内で様々な働きをし、健康効果を発揮します。またこの粘りのおかげでのど越しがよくツルっと食べられるため、食欲が落ちる暑い季節にも重宝する食材です。

おくらのネバネバがもたらす嬉しい効果

1.コレステロールの吸収を抑える

おくらのねばねばに含まれる成分の内、特にペクチンがコレステロールの吸収を下げる働きがあります。ペクチンは体内で胆汁酸が食品中のコレステロールが吸収されるのを防ぎ、コレステロール値の低下に役立ちます。

2.血糖値の上昇を緩やかにする

ペクチンはゲル状の性質を持ち、小腸で糖の吸収スピードを抑え、急激な血糖値の上昇を抑える働きがあります。この働きによって糖尿病などの生活習慣病の予防の他、食後の眠気予防などにも効果があります。

3.整腸作用

おくらの水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌のエサになり、腸内環境を整える働きもあります。便通の改善や肌トラブルの予防にもつながります。

おくらのねばねばを守る&増やす調理のコツ

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photo by photo AC

おくらのねばねばは調理方法によって失われたり、工夫次第で増やすこともできます。ねばねば成分をできるだけ壊さず、増やすための調理のポイントを押さえましょう。

1. 切ってから加熱する

おくらの細胞組織を壊すことで、ねばねば成分が外に溶け出しやすくなります。細かく刻んだり、薄めの輪切りにしてから加熱することで、より多くのねばねばを引き出すことが可能です。ただし、ペクチンは熱に弱いという性質があるため、高温での長時間加熱は避けることが大切です。加熱時間は短く、さっと火を通す程度にしましょう。

2. 加熱はさっと短時間で済ませる

おくらのねばねば成分であるペクチンは熱に弱い性質があります。高温長時間の加熱によりねばねば成分が失われてしまうため、調理の最終段階で加えたり、下処理してさっと加熱する程度にしましょう。

3. 水分を加えて粘りを引き出す

ねばねば成分は、水と混ざることで粘性を発揮します。細かく切ったおくらに少量の水を加えて混ぜると、より粘り気が強くなります。納豆や山芋など、他のねばねば食材と合わせるのもおすすめです。

まとめ|ねばねばを活かして健康に!

おくらのねばねばは、食感の楽しさだけでなく、コレステロールや血糖値のコントロール、腸内環境の改善など、私たちの体にとってさまざまなメリットがあります。
粘りを最大限に引き出すには、「細かく切る」「加熱は短く」「水を加える」など、ちょっとした調理の工夫が鍵になります。夏の食卓にぴったりなおくら。ねばねばをもっと楽しみながら、健康づくりに役立ててみてはいかがでしょうか?

【参考文献】

オクラ | 成分情報 | わかさの秘密

健康日本21アクション支援システム Webサイト

Hypolipidemic activity of okra is mediated through inhibition of lipogenesis and upregulation of cholesterol degradation - PubMed

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