「ガクをすべて切り落としていたわ…」【オクラ】の栄養価を損なうNGな下処理法とは?栄養士が解説


他の野菜にはない独特な形とネバネバ食感が魅力のオクラですが、普段何気なくやっている下処理や調理で栄養価を損ねていることがあるんです。この記事では、オクラの栄養価が減ってしまう下処理や調理法について管理栄養士が詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
オクラにはどんな栄養が含まれているの?
切ったときに出るネバネバの粘りは、ムチンやペクチンといった水溶性の食物繊維です。整腸作用や便秘予防のほか、血糖値の上昇を抑えたり、悪玉コレステロールの吸収を防ぐ作用があるため、健康に役立つ成分がたっぷり詰まっています。とくにムチンには、粘膜を保護する働きがあり、胃炎や胃潰瘍など、胃腸病の予防にも効果が期待できます。
食物繊維だけでなく、カロテンやビタミンB1、B2、葉酸、カルシウム、カリウム、マグネシウムとったビタミンミネラルも豊富で、体の免疫力アップにも役立ちます。

オクラの栄養を損ねてしまうNGな下処理法&調理法
・ガクを全て切り落とす
オクラのガクを全て切り落としてしまうと、食べられる部分が減ってしまうだけでなく、調理中に水溶性の栄養素やペクチンが流れ出てしまいます。切り落とすのは、ガクのふちの茶色くなっている部分と、先端の黒くなっている部分のみにしましょう。
・柔らかくなるまで茹でる
長時間茹でてしまうと、水溶性の栄養素であるカリウムやビタミンCなどが大幅に減少します。特にビタミンCは約4割も減ってしまうのです。旬のオクラはやわらかく生食できるほどなので、茹でるときはサッと湯通しする程度にしましょう。
・丸ごと使用する
ペクチンやムチンのネバネバ効果は、細かく切ってオクラの細胞壁を壊すことで活性化します。丸ごとのままお浸しにすることも多いですが、より体への健康効果を期待したいのであれば、細かく刻んで山芋や納豆などと和えると◎です。

オクラはレンチンが一番!
火を通したい場合は、レンジにかけるのが短時間で栄養をキープできるのでベストです。耐熱皿にオクラを並べ、ふんわりとラップをして加熱しましょう。1分程度で様子を見て、数秒ずつ追加するのがおすすめです。その後は緑色を鮮やかに保つため、軽く水にさらしてから冷ましましょう。

さいごに
オクラの栄養を損ねるNGな下処理・調理法をご紹介しました。育ちすぎのオクラは食感が硬く、味も落ちるので、大きすぎないものを選ぶのもポイントです。ぜひ参考にしてみてくださいね。
<参考文献>
オクラ|JA全農ちば
野菜の栄養素まるごと便利帳/監修・吉田企世子(株)エクスナレッジ
完全版その調理、9割の栄養捨ててます!/世界文化社
<ライター>やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量調理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経て、ヘルスケア栄養指導士の資格を取得。子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。
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