〈更年期〉お盆明けの疲れの立て直し方|リズムが崩れたら、まずは「ゆるく」「優しく」のススメ

〈更年期〉お盆明けの疲れの立て直し方|リズムが崩れたら、まずは「ゆるく」「優しく」のススメ
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高本玲代
高本玲代
2025-08-16

更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。

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お盆明け、気づけばカラダが重たい。なんだか気持ちも落ち込んで、朝からやる気が出ない――。こんな不調を感じていませんか?実はかつて私自身も経験したことでもあるのです。特に更年期世代の女性にとって、お盆明けは疲れがドッと出やすい時期です。家族の用事に追われて休んだ気がしない人、帰省や移動で生活リズムが乱れた人、連日の猛暑に体力を削られた人…。今回は、そんな「お盆明けの疲れ」を感じているあなたに向けて、更年期世代ならではの立て直し方のヒントをお伝えします。

更年期+お盆明け+猛暑=トリプルパンチの8月後半

更年期の体は、ホルモンバランスの変化により、もともと「気温差」や「生活リズムの乱れ」に敏感です。そこに、

  • お盆期間の帰省や家族対応での疲労
  • 普段と違う食事・睡眠時間
  • 猛暑による体温調整ストレス

などが重なることで、心身ともにバランスを崩しやすくなります。

「なんだか毎年8月後半がしんどい」「休んだはずなのに、逆に疲れている」と感じる方は、まさにその典型。これを放置してしまうと、9月に入っても不調を引きずったり、気分の落ち込みが長引いてしまうこともあります。

8月
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「お盆明け疲れ」は“特別な現象”と理解する

多くの人が見落としがちなのは、お盆明けの体調不良を「自分の体力不足」と責めてしまうことです。でも、これはあなただけの問題ではありません。この時期の疲れは、季節・生活・更年期の変化が重なった「特別なサイクル」の中で起こるもの。だからこそ、立て直すときのスタートラインも「特別仕様」でいいのです。

立て直しの基本は「スロースペースではじめる」

お盆明け、いきなり日常のペースに戻そうとしていませんか?

  • 朝から家事も仕事もフル回転
  • やる気が出ない自分に焦ってしまう
  • 「元に戻らなきゃ」と無理にスケジュールを詰める

これらはすべて、不調を長引かせる原因になってしまいます。ここで大切なのは、あえて“スロースタート”を選ぶこと

立て直し1:起きる時間だけ整えて、他は最小限に

まずは、睡眠と覚醒のリズムを「元に戻す」ことを第一に。起きる時間を固定するだけでも、体内時計は徐々に整ってきます。逆に、「今日は眠いから昼まで寝よう」「だるいから横になっておこう」と不規則な行動が続くと、自律神経はさらに混乱してしまいます。それ以外の予定やタスクは、「最低限でOK」の心構えで。

「最低限ができたら合格」と受け入れる

更年期世代の女性には「頑張り屋さん」が多いと言われています。

  • 「ちゃんと家事をしなきゃ」
  • 「仕事でも休み明けに遅れたくない」
  • 「家族の食事も元通りに」

でも、それが逆に自分を追い込むことも…。こんなときは「今日はこれだけできたらOK」と、自分基準の合格点を下げましょう。

  • 洗濯物がたたまれていなくても死なない
  • ご飯がコンビニでもいい
  • メールの返信が1日遅れても大丈夫

すぐにフル稼働できなくても、自分を責める必要はありません。

 POINT:疲れた時期には「完璧を目指す」のではなく、「不完全でも立て直している途中」と受け入れる。

猛暑のダメージをリセットする3つの習慣

更年期の体は暑さにも敏感。発汗・ほてり・だるさ・寝つきの悪さなどが起こりやすくなります。お盆明けの立て直しには、“体の熱ストレス”を解消することも重要です。

  1. 「氷枕」や「足湯」で体温調整をサポート
    寝苦しい夜には、首元を冷やすだけで眠りやすくなることがあります。また、逆に「冷房で冷えすぎる」人には、寝る前の足湯が効果的です。
  2. 「白湯」や「常温の水分」で内臓を温める
    夏は冷たい飲み物で胃腸が冷えやすく、疲れが取れにくくなります。お盆明けは、あえて常温か白湯で水分補給するのがおすすめ。
  3. 朝10分のウォーキングで自律神経を整える
    朝の涼しい時間帯に軽く外を歩くだけでも、リズムが整い、日中のだるさが軽減されます。

気持ちが重たいときの「心の立て直し方」

体だけでなく、気分が落ち込むのもお盆明けあるある。

  • なぜかやる気が出ない
  • 何もかも面倒に感じる
  • 涙が出そうになる

これは、「副腎疲労」「自律神経の乱れ」などが原因で起きやすい、更年期特有の心の反応です。そんなときは、「気分を上げる」より「気分に寄り添う」ことを意識してみてください。

無理にポジティブにならなくていい

「前向きに!」と頑張るほど、つらさが強くなることもあります。「疲れてるんだね」「今日はゆっくりでいいよ」と、自分をいたわる言葉をかけてあげましょう。

気持ちを外に出す

話せる人がいれば「なんかだるくてね」と口に出すだけでもスッキリします。一人のときは、日記やスマホのメモに書き出してみるのも◎。

まとめ:お盆明けは“立て直す準備期間”でいい

更年期における「お盆明けの不調」は、特別なものではありません。むしろ、この時期こそ丁寧にリズムを整えるチャンス。頑張りすぎず、休みすぎず、「ちょっとずつ元に戻していく」ことが何より大切です。

今日からできる3つのこと:

  • 起きる時間だけ決めて、スロースタートを許す
  • “最低限できたらOK”というマイルールを持つ
  • 体と心をゆるやかに整えるセルフケアを取り入れる

「すぐ元通りに戻れなくても大丈夫」そう思えることで、むしろ回復は早まります。まずは一歩、ゆっくりと。あなたのペースで、今週を過ごしていきましょう。

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