更年期からの〈自分〉の磨き方|変化の時期をチャンスに変える3つの実践事例
更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。
「もう年だから」と思ったその瞬間から、私たちは自分の可能性にフタをしてしまいます。
でも実は、更年期こそ「自分を磨く」最高のチャンス。ホルモンバランスの変化や心身の不調が訪れるこの時期は、「今までの私」から一歩外に出て、「これからの私」を再構築するタイミングです。
これまで3000件以上のご相談にのってきましたが、実際、更年期以降に自分らしい輝きを取り戻した女性たちは、ある共通点を持っていました。
更年期からの「自分磨き」がうまくいく人の共通点
①「無理のない変化」を積み重ねている
彼女たちは、若い頃のような完璧な変化を目指していません。1日5分だけ運動をする、食事を少し整える、スキンケアを楽しむなど、「できること」から始めて「続けられること」を見つけているのです。
②「外見」だけでなく「内面」も磨いている
外見の手入れに加えて、読書や学び直し、日記をつけるなど、自分の心と向き合う時間を持っています。「見た目」だけでなく「思考」や「在り方」も整えていくのが特徴です。
③「他人の評価」ではなく「自分が心地いい」を軸にしている
「他人によく思われたい」「若く見られたい」ではなく、「自分がどうありたいか」に正直になっているのが印象的です。だからこそ、他人と比べすぎず、気持ちも安定しやすくなります。
実際に「自分磨き」で変化を実感した女性たちの3つの事例
事例1:体調不良がきっかけで始めた「小さな運動」習慣|麻衣さん(48歳・パート勤務)
更年期に入ったころから、寝ても疲れが取れず、感情の浮き沈みが激しくなった麻衣さん。「もうダメだ」と思ったとき、YouTubeで見つけた“朝のストレッチ5分動画”をなんとなく始めたのが転機でした。
最初は「こんなことして意味あるのかな」と思いながらも、3日、1週間、1ヶ月と続けるうちに、朝の目覚めがよくなり、気持ちも少しずつ前向きに。
今では、ストレッチに加え、散歩と簡単な筋トレも習慣に。「“運動しなきゃ”じゃなくて“動いたほうが楽になる”って気づいた」と話します。
✔ポイント:体を動かすことでメンタルも整う。自分に合う運動の形を見つける。
●事例2:外見の変化を受け入れ、楽しめるようになった|真理子さん(52歳・自営業)
40代後半から白髪やたるみが目立ち、鏡を見るのが嫌になった真理子さん。美容院でカラーをしてもすぐ白髪が目立ち、メイクもなんとなくしっくりこない。「このまま老けていくだけなの?」と落ち込んだ日々。
ある日、たまたまSNSで見つけた「グレイヘアで自分らしく生きる」女性の投稿に衝撃を受け、思い切って「グレイヘアを活かすカット」に挑戦。
そこからメイクもナチュラル系に変え、服も肌になじむ色にシフト。「自分の年齢を否定せず、楽しむ方に切り替えたら、気分がすごくラクになった」と笑顔で語ります。
✔ポイント:外見の変化を否定せず「今の私」に似合うものを探すことで、自己肯定感が上がる。
●事例3:学び直しを通じて「自分の軸」が見えてきた|千恵さん(50歳・専業主婦→在宅ワーク)
子どもが手を離れたタイミングで、更年期の不調も重なり、「私はこれから何をしていけばいいのか」とモヤモヤしていた千恵さん。
あるとき友人に誘われて受けた「オンライン心理学講座」が、自分と向き合うきっかけに。「他人の言動に振り回されるクセ」「完璧主義」などの思考パターンを見つめ直すうちに、「人の話を聞くこと」が好きな自分に気づきました。
今ではオンラインで相談業をスタート準備中。「更年期は、自分を知るスタートラインだった」と語っています。
✔ポイント:学び直しは内面を磨き、これからの人生を再設計する鍵になる。
NGポイント:「若さを取り戻す」ことに固執しすぎる
自分磨きをしたいと思ったときに、ついやってしまいがちなのが「若返り」を目標にしてしまうこと。
- 昔の体型に戻そうとして極端なダイエット
- 若い人のファッションやメイクを真似して浮いてしまう
- 見た目ばかりにこだわり、内面は置き去り
これらは一見「努力している」ように見えて、実は「今の自分」を否定している行動にもなり得ます。
更年期は、若さへの執着を手放すチャンスでもあります。「今の私が好き」と思えるように、自分との関係を育てていくことが、本当の意味での「自分磨き」なのです。
まとめ:変化を「衰え」ではなく「進化」ととらえる
更年期は、ホルモンの変化によって、心も体も揺れ動く時期。でも、それは「終わり」ではなく「始まり」です。
無理をせず、比べず、自分にフィットした磨き方を選ぶことで、今まで以上に自分らしい人生を歩むことができます。
あなたの「これから」は、あなたの選び方次第。少しずつでも、今日から「自分を大切にする時間」を増やしてみませんか?
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