【炭水化物は冷やす】がダイエットの鉄則!?冷ますと増えるレジスタントスターチの効果とは
食欲のない夏場でも食べやすく、暑い日のお昼などに活躍する冷製パスタ。実は温かい状態よりも、パスタを冷ますことで増えるレジスタントスターチの作用で太りにくいといわれています。今回は、冷製パスタがダイエットに効果的な理由について管理栄養士が解説します。
パスタに含まれる炭水化物の役割
炭水化物は炭素と水素の化合物で、たんぱく質、脂質と並ぶエネルギー産生栄養素のひとつです。食物として体内に取り入れられエネルギー源になる糖質と、体内の消化酵素では消化できない食物繊維があります。炭水化物はご飯、パン、麺類などの穀類である主食に多く含まれています。炭水化物の中でも糖質は、消化・吸収に優れ、利用されやすいエネルギー源です。1gで4㎉のエネルギーとなり、生命活動に欠かせない栄養素ですが、いもやでんぷん類、砂糖や甘味料、果実類にも多く、摂りすぎになりがちな栄養素でもあります。炭水化物過多の食事が続くと、エネルギーとして使われなかった分が体内で脂肪となって蓄積されて、肥満の原因になってしまいます。
パスタを冷ますと増えるレジスタントスターチとは?
レジスタントスターチとは、消化されにくいでんぷんの一種で、食物繊維と同じような働きをすることから、健康に役立つ成分として注目されています。消化酵素で分解されにくく、小腸で吸収されずに大腸まで届き、腸内細菌のエサになり、善玉菌を増やす働きをします。また、血糖値の急上昇を抑える働きも期待できるため、ダイエットにも役立ちます。パスタを冷ますと増えるレジスタントスターチは、一度冷めたら再加熱しても減ることがないという嬉しいメリットもあります。
冷製パスタをダイエットに活用するときのポイント
アルデンテに茹でる
パスタを少し硬めに茹でることで、歯ごたえのある状態にすると、噛み応えがあるので満足感につながりやすいです。また、噛む回数が増えることで消化も良くなり、腸内環境にも優しく、レジスタントスターチの効果もアップしやすいでしょう。
高たんぱく低脂質な食材をプラスする
鶏ささみや胸肉、タコやイカなどの高たんぱく質で低脂質な食材を組み合わせることで、炭水化物の代謝を促進させる効果が期待できます。また、代謝がアップすることで体脂肪が燃焼しやすい体をつくることができるでしょう。
野菜やきのこをたっぷりと
ビタミンミネラルも代謝アップのために重要な栄養素です。また、野菜やきのこには食物繊維も豊富です。腸内環境を整え、便通の改善や悪玉コレステロールを減少させる食物繊維には、不溶性と水溶性があります。両方をバランスよく摂取することが大切なので、色々な食材を組み合わせて摂った方が効果的です。
《参考文献》
公益財団法人長寿科学振興財団/健康長寿ネット/三大栄養素の炭水化物の働きと1日の摂取量
あたらしい栄養学/高橋書店
完全版その調理、9割の栄養捨ててます!/世界文化社
《ライター》やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量調理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経て、ヘルスケア栄養指導士の資格を取得。子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。
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