瘦せホルモンが減ってしまう?ダイエット中なら知っておきたい〈NG食べ物〉とは|管理栄養士解説
最近、だんだんと体重が増えやすくなったり、痩せにくくなったりと感じることはありませんか?妊娠や出産などのライフスタイルの変化が大きい20~30代では、忙しい日々の中で「痩せホルモン」がどんどん減っているのが原因かもしれません。今回は「痩せホルモン」について紹介します。
痩せホルモン「アディポネクチン」とは
「アディポネクチン」とは、体内の脂肪細胞から分泌されるホルモンの名称です。ホルモンとは、身体の様々な働きを調節するために体内で分泌される化学物質のことです。「アディポネクチン」は、インスリンの働きを正常に戻す作用、動脈硬化を防ぐ作用、血圧を下げる作用、心臓を保護する作用など、身体に様々な影響をもたらす「善玉ホルモン」としてメタボリックシンドローム予防として注目されています。
「アディポネクチン」と肥満
一見、脂肪細胞が多い人のほうが分泌されそうに思えるかもしれませんが、「アディポネクチン」は肥満や内臓脂肪が蓄積されるとむしろ分泌が減少することが知られています。これは脂肪細胞の機能が低下し、炎症や酸化ストレスが増すためだと考えられています。他のホルモンは、肥満になっていく、あるいは内臓脂肪が溜まっていくと脂肪の量に応じて血中濃度は右肩上がりで上がっていきますが、「アディポネクチン」は肥満や内臓脂肪が溜まってしまうと酸化ストレスにより分泌や生成がブロックされ、血中濃度が下がっていくという性質があります。
「アディポネクチン」を減らすNG食べ物
白米・うどん
精製された炭水化物は血糖値を急激に上げやすく、インスリンの分泌を促進します。この状態が続くと、余分な糖が脂肪として蓄積されやすくなり、インスリン抵抗性や内臓脂肪の増加を招きやすくなります。
お菓子・菓子パン
お菓子や菓子パンには小麦粉・砂糖・バターなどが多く含まれていることがおおいため、高カロリー・高脂肪・高糖質になりやすいです。また、ビタミンやミネラルなどの栄養価が低く、柔らかく噛み応えがないため、腹持ちが悪く食欲のコントロールをしにくくなってしまいます。
ジュース
炭酸飲料や果汁ジュースなどは糖分が多く、血糖値を急上昇させやすいため注意が必要です。また、冷たい飲み物を大量に摂ると胃腸機能が低下しやすく、消化吸収や代謝の効率にも影響する可能性があります。
アルコール
ビールやカクテルなどのアルコール飲料もカロリーや糖質が高いものが多いです。また、お酒と一緒にチーズや唐揚げなどのおつまみを一緒に食べると高脂肪にもなってしまいます。一部の研究では、赤ワインや適量のアルコール摂取がアディポネクチン濃度に良い影響を与える可能性が報告されていますが、過剰な飲酒は逆に肝機能を損ない、肥満や代謝異常を引き起こすため、あくまで適量を守ることが重要です。
食べ物の他にも、運動不足や喫煙なども「アディポネクチン」を減少させてしまうので注意が必要です。
「アディポネクチン」は今回紹介した食べ物に気を付けるとすぐに増加してくれるわけではないため、1ヶ月単位で継続的に意識する事が大切です。また、肥満や内臓脂肪の蓄積は「アディポネクチン」を減少させるだけでなく、糖尿病や高血圧症、狭心症や脳梗塞を引き起こす原因となるため、極端な糖質・脂質制限ではなく、適正なバランスのもとで、質の良い炭水化物(玄米・雑穀など)や脂質(青魚・ナッツ類など)を取り入れることが、長期的な体質改善とアディポネクチン維持につながります。
参考文献:
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