「分かり合えない」と思った時に。アーユルヴェーダが導く、人間関係をよりよくするためのヒント

「分かり合えない」と思った時に。アーユルヴェーダが導く、人間関係をよりよくするためのヒント
Mami Nagata
永田舞美
永田舞美
2025-07-29

私たちは日々、さまざまな人と関わりながら生きています。家族、パートナー、職場、友人など、心地よい関係もあれば、ときに「分かり合えない」と感じるような関係も。誰かの言動にモヤモヤした経験は、きっと誰にでもあるのではないでしょうか。実はアーユルヴェーダには、人間関係をよりよくしていくための教えがあります。今回は、私自身もとても深く救われたドーシャ理論の考え方についてお話をしていきます。

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さまざまな人と会話をする中で、こんな風に感じたことはありませんか?

「どうして、あの人はあんな言い方をするんだろう」
「同じことを何度も言っているのに、すぐに忘れる」
「なんで、そんなに怒るの?」

もし、相手に対してそう感じることがあったら、アーユルヴェーダドーシャ理論を理解すると、人間関係の悩みが少なくなるかもしれません。

ドーシャとは、生まれ持った「質」のようなもの

アーユルヴェーダでは、すべての人は「ヴァータ(風)」「ピッタ(火)」「カファ(水)」の3つのエネルギーを持っていると考えます。このエネルギーの質を「ドーシャ」と言い、人によってどのドーシャを多く持っているかによって、性格や行動、体質、思考の癖などが変わっています。

具体的には、

・ヴァータが強い人は、アイデア豊富で軽やか。一方で忘れっぽく、落ち込みやすい一面も。

 

・ピッタが強い人は、情熱的で行動力がありリーダータイプ。一方で怒りっぽさや批判的な言動が出やすい傾向が。

 

・カパが強い人は、穏やかで安定感があり、忍耐力がある。一方で変化が苦手で重たさを感じることも。

 

これらの特徴は、良い・悪いではなく、すべて“その人の持っている質”であり、個性なのです。

「その人は、そういう人なんだ」と理解することで、関係が変わる

私自身も、以前は周りの人の言葉や態度に敏感に反応してしまうことがありました。ですがドーシャの考えを知ってから、「あの人が冷たく感じるのは、ピッタが高まってるからかも」「すぐ予定を忘れちゃうのは、ヴァータの軽さなんだな」と見方が変わり、自分の向き合う姿勢が変わっていったのです。ドーシャを理解していくと、相手を見る目線が変わり、同じように自分が相手に接する態度も見つめることもできてきます。

違いを認めることは、愛を育てること

自分の周りには、さまざまな人がいます。ピッタ体質の人が言う率直な意見を、ヴァータ体質の人は「冷たく言われた」と感じてしまうかもしれません。反対に、カファ体質の人のゆったりしたペースに、ピッタの人は「遅い」とイライラしてしまうことがあるかもしれません。
ですが、それは誰かが「悪い」のではなく、ただ質が違うだけ。アーユルヴェーダは「相手を自分と同じにしよう」としたり、誰かに合わせようとするのではなく、“違いを違いとして受け入れる”視点を教えてくれています。

自分の質を知ることが、相手への理解を育てる

そして大切なことは、「自分のドーシャの傾向」を知ること。自分が何に反応しやすく、どんな思考パターンに陥りがちなのかに気づくと、人との距離感が楽になります。私たちは、つい「相手を変えよう」と思ってしまいがちです。ですが、コントロールができるのは自分自身。そのために自分を知ることがとても大切になっていきます。アーユルヴェーダは、周りとの人間関係に悩むときこそ、自分との関係を見直すことを教えてくれているのです。

誰かを完全に理解することは、もしかしたら一生かかってもできないかもしれません。だからこそ、アーユルヴェーダドーシャ理論を知っていると、相手への関わり合い方をサポートしてくれると感じます。自分と違う価値観に触れたとき、イライラしたり落ち込むのではなく「あなたはそうなんだ」と思えるようになること。その変化の積み重ねが、人間関係にあたたかさをもたらしていきます。
ぜひ、あなたや、あなたの大切な周りの人たちに、ドーシャの教えを活かしてみてください。

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