スイカに塩は美味しいだけではない?管理栄養士がおすすめするスイカに塩が必要な理由

スイカに塩は美味しいだけではない?管理栄養士がおすすめするスイカに塩が必要な理由
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夏になると絶対に食べるという人が多い果物のひとつがスイカ。そして、「スイカに塩をかける」という昔ながらの食べ方をする人も多いのではないでしょうか?そこで、今回は管理栄養士視点から、「なぜ、スイカに塩をかけるのか?」について説明します。

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水分だけでないスイカの栄養素

スイカの90%は水分のため、栄養がほとんどないと思われがちですが、実は違います。スイカに含まれている代表的な栄養素のひとつが、カリウムです。カリウムは体の中の余分な水分を排出したり、血圧を調整したり、ホルモンを作ったり、さまざまな働きをします。そして、代謝をサポートするビタミンB1やB2、美肌作りに欠かせないビタミンC、リコピン、血流改善による夏場の冷え対策や疲労回復にもおすすめなシトルリンなども含まれています。

スイカ
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スイカに塩がおすすめな理由3選

甘みがアップ

スイカは品種や熟し具合で甘さのバラツキが多い果物です。基本的にはアミノ酸の一種であるシトルリンが含まれており、甘い味わいを楽しめます。そして、塩を少量プラスすることで、「味覚の対比効果」によって、甘さを際立ててくれる効果が期待でき、砂糖不使用で甘みを堪能できます。特に、甘さが物足りないと感じる完熟前のスイカに塩をかけることで甘さのアップを感じることができやすいです。

熱中症予防

日差しの中にいる女性
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スイカは、尿を生成するシトルリンや体の水分調整を助けるカリウムが含まれているため、利尿作用があります。そのため、体にとって余分な水分やナトリウムの排出が促されやすいです。また、夏の暑い時期は汗も多量にかくことで、体内の水分とナトリウムが失われやすいです。そこで、水分が90%以上あるスイカに塩(ナトリウム)をかけて食べることは、水分補給に加えて、汗や尿で失われたナトリウムやカリウムの補給にもつながることで、体内の電解質のバランスを整える効果も期待できます。

冷えすぎ予防

東洋医学的の視点からスイカをみると、体の熱をとり冷ましてくれる性質があります。そのため、冷たいスイカを食べ過ぎてしまうと、人によっては体が冷えすぎてしまいお腹を壊してしまうという場合もあります。そのため、体を温める性質があると言われる塩と組み合わせることで陰陽のバランスがとれ、体の冷えすぎを防いでくれるのを期待できます。特に、1日冷房の中で過ごし体が冷えがちな人には、特におすすめです。

管理栄養士的おすすめな塩の選び方

スイカにかける塩もできれば、精製されすぎていないミネラルが豊富に含まれている自然塩を選ぶことをおすすめします。スイカの旬である夏は暑いため、汗を多量にかくことでナトリウだけでなくミネラルが失われやすいです。そのため、カリウムやマグネシウム、カルシウムなどを含んでいる海水塩や岩塩などの自然塩を選ぶとよいでしょう。塩の味によっても、スイカの味わいは変わるため、まずはいろいろな塩を試してみるのもおすすめです。

今年の夏はスイカに塩を楽しみませんか?

スイカ
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今までそのまま食べていたという人は、いろいろな効果も期待できるため、ぜひ、今年はスイカに塩の組み合わせを楽しんでみてはいかがでしょうか?スイカに塩を前からやっているという人は、試したことない塩で食べてみるのもおすすめですよ。

【参考文献】

文部科学省 | 日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年

厚生労働省|e-ヘルスネット

わかさ生活|わかさの秘密

ライター/管理栄養士 亀崎智子
管理栄養士×セラピスト(野菜ソムリエ・中級食品診断士 )。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。また、満月の日に、乾物と塩で作るふりかけと即席スープの素の製造販売も行っています。インスタグラム:kamegohan0528

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