いつも捨ててしまう〈スイカの皮〉食べると得する?含まれている意外な栄養とは|管理栄養士が回答
夏を代表する果物の一つが「スイカ」。甘くてジューシーな果肉は暑い夏にぴったりですよね。一方スイカの皮は硬く、ほとんどが廃棄されてしまいます。そんなスイカの皮は、実は食べられることをご存知でしょうか。本記事では、スイカの皮の食べ方や含まれる栄養成分について解説します。
スイカの皮の食べ方
スイカの皮はとても硬いため、果肉を楽しんだあとは捨ててしまう方がほとんどでしょう。しかし、ちょっと手間を加えれば美味しく食べられるんです。
食べられるのは、果肉と皮の間の白い部分。緑色の部分はより硬く苦味があるため、薄い緑色になるまでピーラーなどを使用してむき取っていきましょう。
スイカの皮は、シャキシャキとした食感を生かして漬物や和え物、きんぴらなどさまざまな料理に活用できます。
スイカの皮に含まれる主な栄養成分
スイカの皮にはビタミンやミネラルなどの栄養素が含まれています。果肉に含まれる成分とは多少の違いはあれど、スイカの皮も栄養豊富です。
食物繊維
スイカの皮のシャキシャキとした歯ごたえや食感を考えると、食物繊維が多く含まれるでしょう。
食物繊維の主な働きは整腸作用です。便通を整えて便秘を予防するためには欠かせません。また食後の血糖値上昇を緩やかにしたり、余分な脂質を体外へ排出したりする作用もあります。積極的に摂取することで、生活習慣病の予防にも役立つでしょう。
ビタミンB6
スイカにはビタミンB6が含まれています。ビタミンB6はたんぱく質の代謝をサポートする栄養素です。そのため、たんぱく質の摂取量が多い方はビタミンB群の需要も高まります。
また、ビタミンB6は神経伝達物質の代謝やホルモンの調節、免疫機能の維持にも関わっています。
ビタミンC
ビタミンCは、皮膚や軟骨などを構成するたんぱく質「コラーゲン」の生成に不可欠な栄養素です。
また抗酸化物質として働くほか、鉄の吸収を高めたり免疫細胞を活性化させたりするなど、体内でさまざまな役割を果たしています。
カリウム
スイカには体に必要なミネラルの一種カリウムも豊富です。
カリウムは、体内の水分バランスや浸透圧を調節する働きがあるほか、筋肉の収縮に関与しています。また、主に食塩として摂取されるナトリウムを体外に排出する作用があることから、十分摂取することで高血圧の予防・改善に役立ちます。
シトルリン
スイカから発見されたアミノ酸の一種が「シトルリン」です。シトルリンには血管を広げて血流を促す作用があることから、以下のような効果が期待されています
●冷え、むくみの解消
●動脈硬化の予防
●脳の血流アップによる記憶力・集中力の向上
●運動時の持久力、パフォーマンスの向上
シトルリンはスイカの果肉にも豊富に含まれますが、皮の白い部分により多く含まれています。
まとめ
スイカの皮は、外側の緑色の部分を除けば漬物や炒め物などさまざまな料理に使えます。果肉同様、栄養素も豊富。捨ててしまっていた方も、ぜひスイカを丸ごと食べて健康づくりに役立ててくださいね。
【参考文献】
AUTHOR
鈴木亜子
管理栄養士/ライター。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く