30分の筋トレに匹敵！体重よりも姿勢が肝心。背骨を柔軟にしてスラリと見せる「タオルピラティス」

タオル一つで誰でも簡単！体幹強化と引き締めに効果大

「タオルピラティスは、マシンピラティスの効果を自宅で手軽に体感できるメソッドです。マシンピラティスのなかで特に人気のリフォーマーは、キャリッジと呼ばれる動く台にスプリングがついていて、これを利用して様々なエクササイズを行います。タオルピラティスは、キャリッジとスプリングの役割をタオルで代用し、リフォーマーで得られる体幹強化や筋力アップ、関節可動域の向上といった効果が期待できます。

リフォーマーの場合、キャリッジがスライドしてスプリングの抵抗が生まれことで動きを調整します。タオルピラティスの場合、体幹の力で動きをコントロールしながらもとの姿勢に戻るのがポイント。力を抜いたり、反動をつけたりするのはNG。効果を得るために一つひとつの動きを丁寧に行うように意識しましょう」(村越美加先生)

体幹力と柔軟な背骨を手に入れて姿勢美人に

「身長と体重が同じでも、姿勢が悪く背骨が丸まっている人はお腹がぽっこりと張り出して重たい印象に。逆に重心が引き上がり背骨が伸びているとスラリと見えます。また姿勢が悪いと腰痛や肩こり、骨盤底筋群の衰えによる膣のゆるみ、尿漏れなど健康面にも悪影響が……。正しい姿勢を支える体幹を強化して美姿勢を目指しましょう。

今回紹介する『タオルスパインストレッチ×タオルロールアップ&ロールダウン』は、背骨の柔軟性を高めて体幹を強化する基本のエクササイズです。このワークを行うにはタオルを1枚用意してください。そしてタオルピラティスを行う際に大切な姿勢、ニュートラルポジションをマスターしてからトライしましょう」(村越美加先生)

ニュートラルポジションの取り方

1.脚を腰幅に開き、股関節、膝、足首、つま先を正面に向けて立つ。横から見たときに耳たぶ、肩、大転子、膝の側面中央、くるぶしの前が一直線になり、背骨が自然なS字カーブを描くようにする。

2.腰の左右の出っ張った骨に手首の内側を当て、恥骨の前で人差し指を合わせて三角形をつくる。人差し指が真下に向いた状態がニュートラルポジション。人差し指が前方に傾くと骨盤が後傾して背骨が丸まり、後方に傾くと骨盤が前傾して反り腰に。ワークを行う際は常にニュートラルポジションを意識して。

タオルスパインストレッチ×タオルロールアップ&ロールダウン

目的と効果:姿勢改善に必要な体幹の強化と、背骨の柔軟性を高める。

〈やり方〉

◆タオルスパインストレッチ
1.長座になり、左右の坐骨の上に均等に体重をのせて骨盤を立てる。脚を腰幅に開き骨盤が後ろに傾く人は膝を軽く曲げ、またはお尻の下にヨガブロックやクッションを置いてもOK。タオルの両端を持ち腕を前に伸ばす。

2.息を吸いながらお腹を引き込み、背骨を引き上げる。吐きながらタオルに引っ張られるように上体を前に倒す。息を吸って、吐きながら下から順番に背骨を一つずつ起こす。10回繰り返す。

ポイント1:バレーボールの球がお腹にはまっている感覚をイメージして、引き込んだお腹を維持。お腹を引き込むことで背骨が広がる感覚を得られる。

ポイント2:上体を前に倒すときは、腿のつけ根から折り曲げるのではなくお腹を引き込みながら前に倒す。お腹を引き込むことで背骨が伸長(エロンゲーション)し、本来のしなやかさを取り戻せる。

◆タオルロールアップ&ロールダウン
1.長座になり、左右の坐骨の上に均等に体重をのせて骨盤を立てる。脚を腰幅に開き骨盤が後ろに傾く人は膝を軽く曲げ、タオルの両端を持ち腕を前に伸ばす。

2.息を吸って、吐きながらお腹を引き込み腰、背中、胸の後ろの順に床へ下ろす。このときタオルを左右に引っ張って肩を下げ、脇を軽く締めて前鋸筋をオンにすると体幹が働き動きをコントロールしやすくなる。

3.仰向けになり、両腕は天井へ向けて肩を下げる。息を吸って吐き、タオルを左右に引っ張り肩を下げて脇を軽く締める。胸の後ろ、背中、腰の順に床から起こして長座に戻る。10回繰り返す。

〈プロフィール〉

村越美加先生

ヨガ・フィットネス・FTPピラティスライセンス取得インストラクター、健康運動指導士、介護予防運動指導員。フィットネス運動指導歴36年。大手スポーツクラブの正社員として9年勤務しチーフインストラクターとして、エアロビクス、ヨガ、ピラティス、ボディメイクトレーニングの指導のほか、インストラクター管理、インストラクターの教育&育成業務を担当。現在はフリーランスに転向し、ヨガ、ピラティス、エアロビクス、シニアエクササイズの指導のほか、大手スポーツクラブでピラティスインストラクターの新人教育を担当。