無意識のうちに老化がどんどん進んでしまうNGな食べ方とは?【管理栄養士が解説】
「バランスの良い食事を意識しているのに、なんだか調子が悪い」 「肌がくすみやすくなった」「疲れが取れない」…そんな不調、もしかすると“食べ方”が関係しているかもしれません。 スマホやテレビを見ながらの“ながら食べ”は、無意識のうちに老化を加速させる習慣です。 今回は、管理栄養士の視点から老化を進めるNGな食べ方と、老化を予防する食べ方のポイントをお伝えします。
ながら食べは老化のスイッチ
私たちの消化・吸収は、ただ食べ物を摂るだけでは機能しません。
食べ物を「見る」「香りを感じる」「噛む」といった五感の働きで、脳が“今から食事をする”と認識してこそ、消化酵素や胃酸の分泌が整います。
ところが、スマホを操作したり、テレビに集中している状態では、脳が食事に意識を向けられず、消化吸収が不十分になりがちです。
その結果、血糖値の乱高下や脂肪の蓄積、AGEs(終末糖化産物)の生成が進みやすくなり、体の内側から老化が進行します。
老化を進めるNGな食べ方
早食い・噛まない食事
血糖値が急上昇し、 AGEsが生成され、肌や血管がダメージを受ける
姿勢が悪い食事
猫背や斜め座りなど、姿勢が悪い状態で食事をすると、内臓が圧迫されて消化不良を引き起こす
無意識の間食
糖質や脂質の過剰摂取で、酸化・糖化ストレスが増大
解決策は、4つの習慣で“若返りスイッチ”を入れる!
ゆっくりよく噛むことで糖化をブロックする
よく噛むことで唾液中の抗酸化酵素(ペルオキシダーゼ)が分泌され、糖化を抑える効果が期待できます。
多忙な方はなかなか20分以上かけてゆっくり食べるのが難しい場合もあります。そんなときは、まずは「一口10回」でもいいので、しっかり噛むことを意識してみてください。
無理なく続けられる範囲で「よく噛む習慣」を取り入れることが、老化予防の第一歩です。
食事に集中する習慣を作る
スマホの通知やテレビの音は、私たちの“食べるモード”を妨げます。
まずはスマホをテーブルからどけることで集中力が高まり、料理の色や香り、味や食感に意識を向けることができます。
こうした食事そのものを楽しむ習慣を身につけることで、自然と老けにくい体づくりに繋がります。
良い姿勢で食べることを意識する
背筋を伸ばした姿勢が、胃腸の働きを助け、消化や栄養吸収をスムーズに進めてくれます。
“姿勢を整える”という一見地味な行動が、内臓機能の健やかさを保ち、老化をゆるやかにするカギになるのです。
間食を“無意識”から“意識的”に変える
無意識の間食を減らすには、見える場所にお菓子を置かない、水やお茶を飲む、軽い運動や散歩で気分転換するなど環境を工夫しましょう。
どうしても間食したい場合は、時間や内容を決める“ルール作り”が効果的です。
おすすめなのは、低GIで抗酸化成分が豊富な果物を選ぶことです。
例えば、ブルーベリー、キウイ、いちごなどは、ビタミンCやポリフェノールが豊富で、肌の糖化や酸化を防ぎます。
厚生労働省の健康日本21(第3次)では、果物は1日200g程度が目安とされています。
まとめ:食べ方を整えるだけで、内側から若返る
食材の栄養価と同じく、私たちの「食べ方」が老化に深く関わっています。
ながら食べ、早食い、姿勢の悪さ、そして無意識の間食など日常の中で見過ごしがちなこれらの習慣こそ、エイジングを加速させる要因です。
今日からできる小さな一歩で、体の内側から若さを取り戻すことができます。
次の食事は、“どんなふうに食べるか”を意識してみませんか?
参考文献
厚生労働省 e-ヘルスネット
口腔疾患における酸化ストレスの唾液マーカー
栄養価の高い液体および固形の食事後の胃内容排出および満腹感の評価に対する姿勢の影響
健康日本21
食品中の終末糖化産物と、食事におけるそれらの削減に関する実践ガイド
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