《認知症リスク予防》脳の老化を防ぐものすごい食べ物と食べ方とは?管理栄養士が解説


不規則な食生活を続けていると体が老化するように、脳も老化していきます。脳の老化は、脳血管障害や認知症を引き起こす原因となることもあり、食事を工夫して脳の老化を防ぐことが大切です。そこで本記事では、脳の老化を防ぐ食べ物やその食べ方を紹介します。
脳の老化とは
体の老化とは「成熟期以降に起こる生理現象の衰退」と定義されています。脳における老化とは、神経細胞が収縮したり失われたりして、判断力や記憶力が低下することを意味します。
加齢によるところが大きいため、完全に防ぐことはできません。
しかし、生活習慣やストレスなどの影響も大きいため、神経細胞が活発に働く状態を維持できれば、老化の進行を防ぐことができます。

脳の老化を防ぐ食べ物
生活習慣の中でも、食事が脳の老化に及ぼす影響は非常に大きいものです。ここでは、脳の老化を防ぐ食べ物について解説します。
青魚
青魚にはDHA、EPAという脳に良い脂質が豊富に含まれています。DHA、EPAは必須脂肪酸の一種で、人の体内ではほとんど作ることができません。そのため、食事で積極的に摂りたい栄養素です。
DHA、EPAは、脳神経の再生、脳神経を酸化から保護する、さらに情報伝達の潤滑油として働きます。また、アルツハイマー型認知症の原因といわれるアミロイドβたんぱく質が脳内に溜まるのを防ぐ作用もあります。
青魚の中でも特に、イワシ、サバ、サンマ、カツオ、マグロには多くのDHA、EPAが含まれています。

卵
卵には、細胞膜の構成成分であるレシチンが含まれています。レシチンは脳細胞膜を作る成分でもあり、さらに脳内神経伝達物質(アセチルコリン)の生成にも必要です。そのため、レシチンをしっかり補給することで記憶力や学習能力の向上に繋がります。
アセチルコリンの生成にはビタミンB群も必要であるため、卵と一緒にビタミンB群を含む食品を一緒に摂ると老化予防により効果的です。

豚肉
豚肉は、細胞の材料となるたんぱく質の補給源です。さらに、ビタミンB群も豊富に含まれています。先述の通り、脳内神経伝達物質アセチルコリンの生成にはビタミンB群が必須であるため、豚肉と卵の組み合わせは神経細胞の生成に効率的です。
レバー
レバーに多く含まれる鉄分は、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンなどの神経伝達物質の材料となります。また、赤血球内で酸素の運搬にも関わっているため、脳の酸素不足を予防する効果もあります。
吸収を良くするためには、ビタミンCと一緒に摂ることをおすすめします。

脳の老化を防ぐ食べ方
脳の老化を防ぐには、食べ物だけでなく食べ方も工夫しましょう。ここでは、脳の老化を防ぐ食べ方について詳しく解説します。
食物繊維から食べる
血糖値の急上昇は脳にストレスを与えます。食事ではまず、食物繊維の多い野菜や海藻、きのこ類から食べましょう。食物繊維を先に食べることで血糖値の上昇を緩やかにし、脳の老化防止に役立ちます。
よく噛んで食べる
よく噛んで食べることも脳の老化予防になります。噛むことで脳の血流が良くなり、脳内細胞が活性化します。また、満腹感が得られやすいため過食を防いだり、血糖値の上昇を緩やかにする効果もあります。

甘いものを食べ過ぎない
脳の主なエネルギー源はブドウ糖です。そのため糖質は必要ですが、砂糖の摂り過ぎは良くありません。甘いものを食べ過ぎると、血液中のたんぱく質と糖が結合する「糖化」を起こします。糖化によって生じる終末糖化産物(AGEs)は、脳の機能低下やアルツハイマー型認知症の原因になることが知られています。脳の老化を防ぐためにも、甘いものは食べ過ぎないようにしましょう。
揚げ物は控えめにする
揚げ物を食べるということは、酸化した油をたくさん摂取することになります。特に、新しい油であれば構いませんが、古い油は体に良くありません。揚げ物は頻繁に食べないようにしましょう。
油に関しては、DHAやEPA、亜麻仁油、オリーブオイルなど体に良い脂質をなるべく生で食べるのがおすすめです。
【参考】
公益財団法人 長寿科学振興財団|健康長寿ネット「老化とは何か?」
わかさ生活|わかさの秘密「DHA」- SHARE:
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