「人は血管とともに老いる」だからこそ気をつけたい。血管の老化を防ぐ方法とは?医師が解説
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![甲斐沼 孟](https://images.yogajournal.jp/writer/jc8MXoO7BoebwA9Ph4R85HBWSgcunUyFp1NPI4vd.jpeg)
血管の老化の背景に潜む疾患とその効果的な対策について医師が解説します。
血管の老化とは?
血管の老化とは、年齢とともに血管が劣化して、弾力性が失われる傾向があることを指しています。
血管は、加齢や不規則な生活習慣、喫煙習慣などに伴って硬くなって細くなる、あるいは狭窄・閉塞することがあり、これらの変化を「動脈硬化」と呼称しています。
糖尿病など動脈硬化が進行する疾患では、血液中に血糖成分が増加しているため、血中の活性酸素成分が多くなって血管壁を傷つけますし、損傷してダメージを受けた血管壁にコレステロール成分が入って沈着しやすくなり、動脈硬化を引き起こす要因になります。
腕や足のように心臓からやや離れているところまで酸素が含まれている血液を供給する血管を末梢動脈と呼び、加齢、動脈硬化、喫煙などの影響によって、この末梢動脈が狭くなり、腕や足への血流を減少させて、閉塞部位より末梢組織が壊死する可能性があります。
血管の壁に、脂肪成分、コレステロールを含む沈殿物(プラーク)が蓄積して動脈硬化が発生する過程をアテローム性動脈硬化症といい、末梢動脈疾患の最も代表的な原因となっています。
![動脈硬化](https://images.yogajournal.jp/article/244945/WXr9R7fzYfg00JKEh3UKvTJ5cx3IKudrwXmUNPml.jpeg)
特に、脂質異常症や高血圧、糖尿病があると、全身の血管が細くなるリスクが増加しますし、喫煙者は非喫煙者に比べて末梢動脈疾患が発生するリスクを40%増加させるという研究報告があります。
普段からタバコを喫煙している場合には、禁煙に努めることが必要であり、糖尿病をはじめとして高血圧、脂質異常症など動脈硬化の危険因子となるリスクファクターを出来る限り改善することが求められます。
血管の老化を防ぐ方法とは
血管の老化を防ぐためには、動脈硬化を改善する、あるいは生活習慣病を予防することが大切であり、そのためには、効果的な対策として適度な運動を定期的に日常生活に取り入れて行う必要があります。
例えば、1回30分程度のウォーキングや軽いジョギング、適度な距離のサイクリング、水泳やエアロビクスなどの運動習慣を毎日の生活に取り入れてみましょう。
特に、ウォーキングは、いつでも気軽に誰でも簡便に実践できますので推奨されますし、適度な運動を実施することにより、太りにくい体質に改善することができます。
まとめ
「人は血管とともに老いる」といわれます。
血管の重要な働きとしては、血液をスムーズに流して、全身に酸素と栄養を循環させることです。
若い血管はしなやかですが、加齢に伴って老化すると弾力を失って自然と血管が硬くなります。
血管の老化の背景には動脈硬化が潜んでいて、動脈硬化とは、「老化現象を起こした血管が硬くなってしまった状態」を指しています。
主に、脂質異常症や高血圧、糖尿病などの生活習慣病、あるいは肥満や喫煙習慣が、動脈硬化を悪化させて血管の老化を促進させる要因となることが判明しています。
動脈硬化が進行して生活習慣病を発症すると、全身の様々な臓器に悪影響を及ぼします。
血管の老化を適切に予防するためにも、できるだけ早期から自分に適した運動習慣を含む生活スタイルの改善などを意識して、動脈硬化進展や生活習慣病発症を予防できるように努めましょう。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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