自分を一番快適で幸せな状態に !アーユルヴェーダから学ぶ、暮らしを整える3つのアプローチ
なんとなく心がざわつくとき。理由もなく疲れていたり、人に優しくできなかったり、つい自分を責めてしまうとき。そんな日々が続くと、「私は本来どんな状態が心地よかったんだろう?」と、自分の“快適さ”を見失ってしまうことがありませんか? アーユルヴェーダでは、そのような自分の状態を「ドーシャの乱れ」と考えます。今回は、自分の乱れを調整し、自分が一番快適で幸せでいられる状態にリセットするセルフケアをご紹介します。
アーユルヴェーダが教えてくれること
アーユルヴェーダでは、「人は本来、バランスが取れたときに、心も身体も自然と健やかになり、幸せに生きられる」と教えてくれています。このバランスのことをドーシャと呼び、一人一人に生まれ持った性質や体質があり、日々の環境によって変わってくるものだと考えます。そんなアーユルヴェーダには、今の自分の状態を知り、自分にとって最も心地よい状態へと整えていく様々な知恵があるのです。
「快適で幸せな状態」ってどんな状態?
アーユルヴェーダにおける健康とは、”単に病気ではない”ことではありません。
•身体が軽く、スッキリと動けること
•消化が良く、排泄がスムーズなこと
•心が穏やかで、必要以上に揺れないこと
•目の前のことを楽しめる集中力があること
•夜は自然に眠くなり、朝は心地よく目覚めること
こうした「自然で無理のない」状態こそが、アーユルヴェーダが目指す快適さであり、幸福感なのです。
この状態はどこか遠くにあるのではなく、自分の中にすでに備わっているもの。けれど、日々の生活やストレス、食事の乱れ、情報の過多などでバランスを崩すと、心地よさからどんどん遠ざかってしまいます。
リセットの第一歩は「今の自分に気づくこと」
まず大切なのは、「今の私はどんな状態か?」に気づくことです。
・最近、寝つきはどうですか?
・朝起きたとき、体は軽いですか?
・なんとなく不安や焦りを感じやすくなっていませんか?
・食欲や排泄のリズムは乱れていませんか?
小さなサインは、すべて「バランスの乱れ」の合図です。
忙しさの中でつい無視してしまいがちな感覚ですが、アーユルヴェーダではこれらを大切なメッセージと受け取ります。気づいた時点で、すでにリセットの一歩は始まっています。
自分を快適にリセットする3つのアーユルヴェーダ的アプローチ
1. 朝の静けさに戻る「ディナチャリヤ」
アーユルヴェーダでは、”ディナチャリヤ”と呼ばれる1日の過ごし方の指針があり、乱れたリズムを整える強力なリセット法です。
朝の時間をとても神聖なものと考え、ヴァータが高まる特徴があることから、風のように軽く、感覚が研ぎ澄まされる時間とされています。
朝の時間におすすめなセルフケアをご紹介しますので、何かを足すというより、「静けさの中に戻る」感覚で行ってみてください。
・起きたら白湯を一杯飲む
・舌を掃除する
・ヨガやストレッチをして身体を動かす
・オイルうがいや鼻うがいで五感を目覚めさせる
・セサミオイルでマッサージし、自己とのつながりを取り戻す
2. 食事は「自分に戻る時間」
アーユルヴェーダでは、「消化力(アグニ)」が整っていることが、心と身体の安定に直結すると考えられています。
つい、スマホやテレビを見ながらの“ながら食べ”をしてしまってはいませんか?アーユルヴェーダでは『何を食べるかよりも、どのように食べるか』つまり消化がされやすい食べ方かどうか、を大切にしています。食事は「自分に還る時間」として、丁寧に味わってみましょう。
・食事に集中して食べる
・温かく、消化しやすいものを食べる
・なるべく決まった時間に、静かな環境で食べる
・腹八分目で終える
・感謝して食べる
3. 五感を整えるセルフケア
アーユルヴェーダでは「五感の満足」が心身のバランスを整える鍵だと考えます。
五感が満たされると、自律神経が整い、呼吸が深く、心が落ち着いていくのです。真面目な方ほど整えることに一生懸命になってしまいがち。セルフケアは日常を過ごしながらできることで大丈夫です。無理に「整えようとしないこと」もまた、整える一歩です。
・好きな香りで空間を整える
・やわらかい服や肌触りの良いタオルを選ぶ
・自然音や心地よい音楽に身を委ねる
・美しい自然や花を飾る
・お気に入りのハーブティーを味わう
本来の自分に還るということ
アーユルヴェーダは、何かを変える方法ではなく、「本来の自分に還る」ための知恵です。
周囲の声や世の中のスピードに飲まれそうになるときこそ、自分の呼吸や食事、感覚に意識を向けること。それが、静かだけれど確かな「幸せの感覚」へと導いてくれます。
頑張るのをやめても、あなたは価値がある。
何かを足さなくても、今のあなたは十分美しい。
そのことを、自分の身体と心を通して思い出していきましょう。
今日という一日が、「自分を大切にする」小さなリセットになりますように。
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