ヨガプラクティスで「自我やネガティブな感情を手放す」4つの技術【ヨガハワイマガジン】
ハワイのヨガマガジン「Yoga HAWAII Magazine」人気記事をヨガジャーナルオンラインが独占配信!今回のテーマは「自分のなかのネガティブな感情を手放すヨガプラクティスの4つのキーワード」。ホノルルでヨガインストラクターとして活躍する、ジュリー・ザックさんが教えてくれました。
先日、会社のデスクで大量のメールを延々と整理していたら、私が最近完了させたプロジェクトについて、同僚が大声で誰かに文句を言っているのが聞こえてきた。ショックだった。私に言わずに他の人に私の仕事への不満を話していたせいもあるが、そのプロジェクトは全力を尽くして成し遂げたので、自分でも誇りに思っていたからだ。とたんに頭にきて、悔しさ、痛み、嫌悪感が胸の中で渦を巻きだした。
これらの感情に飲み込まれる前に、私は自分に二つの問いかけをした。この感情は自分の為になるの? この出来事から学べることはある? 私は少し考えてから、答えを書き出してみた。そして気づいた。まわりで起きることは変えられないが、最高の自分でいられるように努力することはできる、と。すると、心に深く根を張っていたネガティブな感情の塊がほぐれ始め、少しずつそれを手放せるようになった。
それがすぐにできるようになったわけではない。そもそも私は悩みだすと、我慢の限界までためこんでしまうたちだ。だから、冷静に考えながら意識的にネガティブな感情を手放せるになるまでには何年もかかった。そのサポート役をしてくれたのはヨガだった。
多くの人は、ヨガを身体的な練習だと思っている。たしかにヨガではマットの上で裸足になり、一連のポーズを行いながら身体の各所をストレッチしたり鍛えたりする。だがそれはヨガのほんの一面にすぎない。この古代から伝わる練習では、身体的な要素だけでなく、人生における感情や対人関係、瞑想についても探究していく。
パタンジャリのヨーガスートラでは、ヨガには八支則と呼ばれる8つの段階があり、身体的な練習であるアーサナはそのうちの一つと説いている。ヨガの最終目的は、サマディ(三昧)とよばれる超意識の状態に至ることであり、それ以外の7段階はサマディに達するために構成されている。私たちが一般的に考える「ヨガ」は、その壮大な練習のほんの一部なのだ。
ネガティブな感情を手放すために、練習すべての段階が関係するのだろうか? 答えは「イエス」だ。ヨガがサマディに達するための練習の一つならば、各段階は練習生がサマディに至るように作られているから。マットの上でも外でも自分に不要なものを手放すことが、ヨガの最終目的に近づく鍵となる。とは言え「手放す」とはどういうことだろう。自分のアーサナ練習にどう取り入れればいいの? これはディズニー映画の歌(let it go)とは違う話だ。簡単に言うと、手放すとは、身体や心、感情の緊張を解くように努めること。心や体の障壁を取り除けば、新たな領域に達することができる。常に成長し、学び、手放し続けることで、それが可能となるのだ。
ここで、これからのアーサナ練習で実践できる方法をいくつか紹介しよう。マットの上にいながら、自分を制限する考えを楽に手放せるようになるだろう。練習を積めば、マットの上でも外でも「手放し」ができるようになる。
1)自分に手放す「許可」を与える
ヨガスタジオに着いたら、すぐに靴を脱いて、静かにマットを広げ、この時間をすべて自分のためだけに使うという「許しの感覚」を自分に与えよう。たくさんの考えごとを抱えたままヨガクラスに参加しがちだが、マットの上にまで持ち込むことなどないはずだ。人生で必要なことはマットの外で然るべき時に起こると信じよう。そして、ヨガ練習に関係ないものはすべて手放すという「許可」を自分に与えよう。
2)顔に意識を向けてみよう
いま行っていることをやめて、顔に注意を向けてみよう。あごに力が入っている? 眉はつり上がっている?それとも、ひそめている? 目を細めている? 見開いている? おそらく、練習の始めは顔に力が入っているだろう。私たちの顔は緊張や感情を雄弁に語る。社会的な動物である人間は、顔の表情によって心的状態を周りに伝える。ストレス時にあごに力が入ったり、赤ちゃんを見て微笑むのはごく自然なことだ。だが、ヨガのクラスでは周りに何かを伝える必要はない。練習に入る時は、まずは眉、鼻、あごの力を抜くことから始めよう。練習中も顔の筋肉に意識を向けるようにして、リラックスしているか、まだ緊張が残っているかを確認する。顔がリラックスすれば、心もゆるむので、いろいろ手放しやすくなる。
3)呼吸に集中しよう
ヨガ練習では肉体的に負荷がかかるため、身体に感じる緊張を避けることは難しい。そのような時は、顔をリラックスさせて、呼吸に集中し、肺を出入りする絶え間ない空気の流れを感じるようにしよう。ヨガの呼吸法であるプラーナヤーマは、どのヨガのクラスでも欠かせない要素で、パタンジャリの唱える八支則の一つでもある。緊張を伴う状態で動く時には呼吸を意識することが重要だ。プラーナヤーマの実践によって、ポーズを長くホールドできたり、不快感をやり過ごすことができ、不要なストレスを手放せるようになる。
4)シャヴァーサナを楽しもう
シャヴァーサナ(屍のポーズ)は一見すると易しそうだが、どのクラスでも生徒の多くが最も苦心するポーズだ。シャヴァーサナでは、頭からつま先まですべての筋肉を弛緩させ、数分間は動いたりねじったりしてはいけない。そう聞くと簡単そうだ。ただ仰向けになってリラックスしていれば良いのだから。だが、なぜそれが難しいのか? シャヴァーサナはヨガクラスで手放しを行うための最終段階であるからだ。これは信頼を示し、弱さをさらけ出す練習だ。一つの部屋で知らない人たちと仰向けで横たわるのは、ほとんどの人にとってなじみのない行為だ。そこで、シャヴァーサナで安心してリラックスできるように、周りの人たちだけでなく、自分自身を信じる「許可」を自らに与えよう。自分の弱さを認めると、少しずつ意識がほぐれてきて、手放す準備ができるだろう。
教えてくれたのは…ジュリー・ザックさん。
北カリフォルニア出身のジュリー・ザックは、アメリカ各地で暮らしてきた。現在はホノルル在住でヨガのインストラクターとライターをしている。ハフィントンポスト、Elephant Journal、Waikiki Menus等にも寄稿している。
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