「毎日パンを食べたい…」人が今すぐ知るべき!太りにくいパンの食べ方4選|管理栄養士が解説


朝は必ずパン、ランチはきまってサンドイッチという人もいますよね。パンは血糖値が上がりやすく、太りやすいといわれますが、実は合わせるもので吸収のされやすさや血糖値の上がり方が変わってきます。毎日パンを食べても太らないためには、ちょっとしたコツがあるのです。今回はパンを食べる時はどんなことに気を付ければ良いか、管理栄養士が解説します。
パンはなぜ太りやすいのか?
パンを食べると太りやすいとよくいわれますが、それはなぜなのでしょうか。
グルテンの影響
パンの原料である小麦粉には、グルテンという物質が含まれています。グルテンは、腸の粘膜に炎症を起こしたり、食欲を増進させ中毒性をもたらすといわれています。また、小麦の摂取と同時に血糖値の急上昇が起こりやすく、体からインスリンが大量に分泌されます。インスリンはブドウ糖を脂肪細胞に取り込み、脂肪として蓄える働きがあるので、太りやすくなってしまうのです。
トランス脂肪酸の影響
市販のパンには、ショートニング、マーガリン、ファストブレッドといったトランス脂肪酸が含まれています。これら加工油脂は、悪玉といわれるLDLコレステロールを増加させる作用があるといわれ、多量に摂り続けると体脂肪が蓄積して肥満につながるだけでなく、動脈硬化などによる病気のリスクが高まります。
パン食に合わせるおかずの影響
パンを主食にする献立は、パンにマーガリン、ジャムなどの油脂や糖分の多いものを一緒に摂ることが多いですよね。また、たんぱく質にはウインナーやベーコンといった脂質の高いおかずを合わせがち。ヨーグルトや牛乳の乳製品にも脂質が多く含まれているので、このような組み合わせはごはん食よりもカロリーが高くなってしまうのです。

パンを食べても太らないコツ4選
毎日パンを食べたい!でも太りたくない!と思う方のために、パンを食べても太らない食事のコツをご紹介します。
①良質な油をプラスして血糖値の急上昇を避ける
パンを食べるときは、パンだけで食べた場合よりもバターなどの油脂と食べた方が血糖値の上昇を抑えられることがわかっています。とくに、オレイン酸を含むオリーブオイルと一緒に摂ると効果的です。よく噛むことで血糖値の上昇をゆるやかにできるので、硬いフランスパンとオリーブオイルの組み合わせがおすすめです。
②低GIのパンを選ぶ
低GIは、血糖値の上昇が緩やかな食品のことです。小麦の表皮や胚乳を丸ごとひいた全粒粉のパンは、胃にとどまる時間が長く、食後血糖の上昇を抑えてくれる効果が期待できます。ライ麦パンは、全粒粉よりも食物繊維が豊富で、満腹感も持続しやすいため、太りにくい体を作るのに役立ちます。どちらもパン食に不足しがちなビタミン、ミネラルを補給することができます。この他にも、オーツ麦ふすまパン、ブランパンなども良いでしょう。

③おかずを高たんぱく・低脂質にする
ベーコンやウインナーは脂質が高いわりにたんぱく質がそれほど摂れません。おすすめはゆで卵、納豆、ノンオイルのツナ缶、サラダチキン、魚肉ソーセージです。ヨーグルトや牛乳は、低脂肪のものを選ぶようにしましょう。コクや甘みが欲しいときは、オリゴ糖やはちみつで甘みをプラスします。
④朝食に食べる
1日のうちで昼食・夕食よりも朝食のカロリーを最も高くした方が、ダイエット効果は大きいことがわかっています。時間栄養学では、朝はたっぷりと栄養を摂り、夜の食事は軽めにすることで、太りにくい体を作ることができるという研究結果が出ているのです。また、朝食を抜いて昼食にパンを食べるより、朝食にしっかりと食事を摂ることで、昼食の血糖値急上昇を抑えることができます。

まとめ
様々なパンが身近に手に入る時代ですが、日頃からちょっと気をつけたり、工夫したり、正しい知識を身に付けることで健康的な毎日が送れるのではないかなと思っています。ぜひ我慢せず、パンがある生活を楽しんでくださいね。
<参考文献>
あたらしい栄養学/高橋書店
1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣/大久保愛
完全版その調理、9割の栄養捨ててます!/世界文化社
<ライター>やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量調理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経て、ヘルスケア栄養指導士の資格を取得。子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。
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