メタボ健診のススメ:今のうちに改善すれば、未来の出費がこんなに減る?〈医師監修〉

 メタボ健診のススメ:今のうちに改善すれば、未来の出費がこんなに減る?〈医師監修〉
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メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は、放置すると糖尿病や心疾患などの生活習慣病を引き起こし、将来的な医療費の増加につながります。しかし、40歳以上の方を対象とした「特定健康診査(メタボ健診)」を受診し、早期に生活習慣を改善することで、健康リスクだけでなく経済的な負担も軽減できます。本稿では、メタボ健診の効果や、将来的な出費をどの程度抑えられるのかについて、厚生労働省などの公的機関のデータをもとに解説します。

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メタボ健診とは?—早期発見と予防の重要性

特定健康診査(通称:メタボ健診)は、40歳から74歳までの方を対象に、生活習慣病のリスクを早期に発見し、予防することを目的とした健康診査です。内臓脂肪の蓄積や血圧、血糖、脂質の異常などをチェックし、必要に応じて特定保健指導が行われます。この健診を受けることで、生活習慣病の発症や重症化を防ぎ、将来的な医療費の増加を抑えることが期待されています。

厚生労働省の資料によれば、特定保健指導を受けた人は、受けていない人に比べて、体重や腹囲、血糖値などの改善が見られ、生活習慣病の発症リスクが低下する傾向があります。また、早期に生活習慣を改善することで、将来的な医療費の増加を抑える効果も期待されています。

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生活習慣病の医療費とメタボ健診の効果

生活習慣病は、長期的な治療が必要となるため、医療費が高額になる傾向があります。例えば、糖尿病の年間医療費は一人当たり約30万円、高血圧症では約20万円とされています。これらの疾患を予防・早期発見することで、医療費の増加を抑えることが可能です。

特定健診・特定保健指導を受けることで、生活習慣病の発症リスクを低下させ、医療費の増加を抑える効果が期待されています。また、特定保健指導を受けた人は、受けていない人に比べて、生活習慣病の発症率が低く、医療費の増加も抑えられる傾向があります。

将来的な出費を抑えるために今できること

メタボ健診を受けることで、生活習慣病のリスクを早期に把握し、適切な対策を講じることができます。例えば、特定保健指導を受けて生活習慣を改善することで、将来的な医療費の増加を抑えることが可能です。また、健康的な生活を送ることで、仕事の生産性向上や生活の質の向上にもつながります。

特定健康診査は、全国の医療機関や保健所で受けることができます。多くの自治体では、無料または低額で受診できる制度が整備されています。詳細は、お住まいの自治体のホームページや保健所にお問い合わせください。

参考資料:
厚生労働省「特定健康診査・特定保健指導に関するデータ」
厚生労働省「令和5年度医療費の動向」
厚生労働省「保険者の予防健康づくり、保険者インセンティブ」

監修医師/頴川博芸(えがわひろき)

浅草橋西口クリニックMo院長。東海大学を卒業後、順天堂大学医学部附属静岡病院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属順天堂医院を経て、現職。消化器外科医として上部消化管や胆嚢、虫垂の疾患、鼠径ヘルニアの治療に携わる。日本専門医機構認定 外科専門医、日本医師会認定産業医、東京都認知症サポート医。

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