【健康診断】中性脂肪が高い人へ、下げるために意識したい食事のポイントとは|管理栄養士が紹介
健康診断の血液検査表で「中性脂肪」もしくは「トリグリセライド」の項目が高いと、指摘された方がいらっしゃるかもしれません。中性脂肪は、私たちが生きるために必要なエネルギー源です。しかし、摂りすぎると体脂肪として蓄えられ、生活習慣病を引き起こす原因になります。また、中性脂肪値はメタボリックシンドロームの診断基準にもなっているため、引っかかっていたら注意が必要です。今回の記事では、中性脂肪が高いときの食事のポイントについて管理栄養士が解説します。
なぜ中性脂肪値が高くなるの?
血液中の中性脂肪の値が150mg/dL以上となると、中性脂肪値が高いとされます。中性脂肪値が高いとさまざまな病気のリスクが高くなるため減らす必要があります。ですが、そもそもなぜ中性脂肪値が高くなってしまうのでしょうか[1]。
「食べ過ぎているからでしょ?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。確かに食べ過ぎが原因となりますが、何を食べすぎているかによって対策が異なります。中性脂肪値が高くなる原因は、以下のような食習慣が挙げられます。
・いつもご飯や麺は大盛りにしている
・甘いスイーツやお菓子が好きで毎日のように食べる
・お酒を多量に飲む・飲む機会が多い
・脂っこいものをよく食べる
中性脂肪は糖質やアルコールと関連があるといわれており、これらを多く摂る食習慣は中性脂肪値の上昇につながります。また、カロリーの摂りすぎも中性脂肪値の上昇に関わるため、唐揚げや焼肉などのようにカロリーが多く脂っこい食べ物を食べている場合も要注意です[2]。中性脂肪を下げるための食事のポイント
では、中性脂肪値が高い場合はどのような対策をしていけばよいのでしょうか。それぞれの原因に合わせた対策をご紹介します。
ご飯や麺を食べすぎている場合
ご飯をおかわりしたり、麺を大盛りにしたりする場合は糖質を摂りすぎている可能性があります。ご飯のおかわりを控え、大盛りで注文しないようにしましょう。また、ご飯や麺など主食の量を増やすのではなく、野菜や豆類などのおかずをプラスすることがおすすめです。特に野菜・きのこ・海藻などに含まれている食物繊維は、余分な糖質を体外に排出する作用があるため、中性脂肪を減らすのに役立つでしょう[2-4]。
甘いものをよく食べる場合
スイーツやお菓子などの甘いものは糖質を多く含んでいます。甘いものをよく食べる場合は、糖質を摂りすぎている可能性があります。さらに、炭酸飲料や砂糖を入れたコーヒーなど甘い飲み物をよく飲む場合も注意が必要です。ケーキやドーナツなど甘いものをよく食べる場合は、アーモンドやくるみなどのナッツ、チーズなどがおすすめです。ただし、ナッツやチーズはカロリーが高いので食べ過ぎに注意しましょう。また、飲み物はできるだけ砂糖が入っていないものを選ぶのが望ましいです[2,3]。
お酒をよく飲む場合
お酒をよく飲む場合は、飲酒量とおつまみに注意が必要です。健康のためには、適度な飲酒が望ましいとされています。1日当たり飲酒量は日本酒では1合、ビールではロング缶1本程度にし、それ以上飲みすぎないことがポイントです。また、お酒と一緒に摂るおつまみは揚げ物や焼き鳥などカロリーの多いものがあるため、枝豆や豆腐などカロリーが低いものを選ぶとよいでしょう[2,3,5]。
脂っこいものをよく食べる場合
揚げ物や焼肉など脂っこいものをよく食べる場合は、カロリーを摂りすぎている可能性があります。ノンフライのものや脂身の少ない肉を選ぶことで、摂取カロリーを減らすのにつながるでしょう。また、肉をよく食べる場合は、大豆製品や魚などのメニューを選ぶことがおすすめです[2,3]。
まとめ
中性脂肪が高い場合は、カロリーや糖質などを摂りすぎている可能性があります。ただし、カロリーや糖質は体に必要な栄養素でもあるため、極端に減らすのは望ましくありません。特定の食品ばかり食べるのではなく、さまざまな食品を取り入れるようにしましょう。
【参考文献】(2024年4月6日閲覧)
[1]厚生労働省, e-ヘルスネット, 中性脂肪/トリグリセリド
AUTHOR
一ノ木菜摘
管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。
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