健康診断で「血圧が高い」と言われた…改善するために食事で対処できることは?管理栄養士が解説

 健康診断で「血圧が高い」と言われた…改善するために食事で対処できることは?管理栄養士が解説
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年を重ねるにつれ、健康診断を受けると血圧が気になる方もいらっしゃるかもしれません。一般的に血圧は加齢とともに上昇しやすい傾向にあります。また、血圧は年齢だけではなく、食事や飲酒などの生活習慣と強く関連しています。そのため、血圧が高い場合は、生活習慣の見直しや改善が大切です。そこで、今回の記事では血圧が高いときの食事での対策を管理栄養士が解説します。

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血圧が高いとどうなる?なぜ健康によくないの?

血圧とは心臓から送り出された血液が血管の壁を押す力のことです。血圧には、血管が収縮し強い力がかかっているときの収縮期血圧(最高血圧)、血管が拡張して血圧が最も下がっているときの拡張期血圧(最低血圧)の値があります。通常は一時的に血圧が上昇しても正常値に戻るようになっていますが、何らかの原因で慢性的に高くなってしまうことがあります。この状態を高血圧といい、放置していると血管が厚く硬くなる動脈硬化を招き、心臓や脳の病気のリスクが高まるのです[1]。

血圧の基準値は、診察室での測定で、収縮期血圧が120mmHgよりも下かつ拡張期血圧が80mmHgよりも下とされています。また、高血圧の診断基準は収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上、もしくはその両方の場合です[1]。

健康診断で血圧が基準値よりも高い場合や医師から指摘された場合は、食事で対策する必要があると考えられます。

血圧
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血圧が高いときの食事での対処法とは?

血圧が上昇する原因には、ストレス・加齢・飲酒などがありますが、日本人として特に気をつける必要があるのは食塩の摂りすぎです。食塩の主成分であるナトリウムは体に必要なミネラルの一種ですが、摂りすぎると悪影響を及ぼします。食塩の摂取を減らすためには、以下のような点を意識することが大切です[1,2]。 

調味料はかけるのではなく「つける」

ソースや醤油などの調味料は、かけるよりもつける方が食塩の摂取量が抑えられるといわれています。揚げ物や寿司などの料理に直接ソースや醤油をかけてしまう場合は、一旦小皿に出した状態でつける方がよいでしょう[2]。

お酢や香辛料などを利用する

料理の味付けは食塩を含む調味料を使いがちですが、お酢・しょうが・カレー粉・こしょうなどのように食塩を含まないものでも味にメリハリがつけられます。これらの食品が家庭にあれば、料理の味付けに利用してみてはいかがでしょうか。また、レモンやゆずなどの柑橘類の酸味を利用するのもおすすめです[2]。

加工食品を控える

ソーセージやかまぼこなどの加工食品には食塩が含まれています。1個当たりの量は少ないものの、何個も食べてしまうと食塩を摂りすぎてしまう可能性があります。重ねて食べるのを控えたり、ゆでたりすることで、食塩の摂取量を抑えられるでしょう[2]。 

なお、食塩の摂取を減らすためには、減塩食品を利用するのもおすすめです。近年では、調味料だけではなく加工食品もあるため、加工食品を減らすのが難しい場合は減塩のものを選んでみるのはいかがでしょうか[2]。

減塩以外の対策

減塩する以外にも、カリウムを多く含む野菜を積極的に摂ったり、お酒を控えたりすることも血圧の改善につながります。また、肥満と高血圧は関連するといわれているため、肥満の場合は減量するのが望ましいです。できそうなところから対策していきましょう[1,2]。

症状がないからといって放置しないで!

高血圧はほとんど自覚症状がないため、進行しやすくさまざまな病気のリスクを高めます。血圧が気になり始めたら、ご自身の食事を見直し改善するとよいでしょう。今回ご紹介したポイントのなかから、1つでも取り組めそうなものがあれば幸いです。

【参考文献】(2024年4月7日閲覧)

[1] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2020年版), 高血圧

[2]厚生労働省, e-ヘルスネット, 高血圧

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AUTHOR

一ノ木菜摘

一ノ木菜摘

管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。



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