健康診断でコレステロール値が高めといわれた…どうすれば良い?食事での対策を管理栄養士が解説
健康診断でコレステロール値が高めと指摘された方がいらっしゃるかもしれません。コレステロールは体内に必要なものですが、増えすぎると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、コレステロール値が高い場合は対策する必要があるでしょう。 そこで、今回の記事ではコレステロール値が高い場合の食事での対策を管理栄養士が解説します。
コレステロール値が高いってどういうこと?
そもそもコレステロールとはどういうもので、なぜ高いと健康に良くないのでしょうか。
コレステロールとは、体内に存在する脂質の一種です。体に悪いイメージがありますが、細胞膜やホルモンなどを作る材料となるため、体にとって必要な脂質といえます。しかし、血液中に増えすぎたり不足したりすると血管が厚く硬くなる動脈硬化を招き、心臓や脳の病気のリスクを高めます。
血液中にはLDLコレステロールとHDLコレステロールがあります。
LDLコレステロールは肝臓のコレステロールを体全体に運搬する役割を持ち、体内にコレステロールを貯めるため悪玉コレステロールとも呼ばれます。
一方で、HDLコレステロールは体内の血管壁にたまったコレステロールを肝臓に運搬する役割を持ち、体内のコレステロールを回収するため善玉コレステロールとも呼ばれているのです[1]。
それぞれのコレステロールは、以下の基準値が設定されています。
・LDLコレステロール:60〜119mg/dL
・HDLコレステロール:40mg/dL以上
LDLコレステロールは多すぎると、HDLコレステロールは少なすぎると動脈硬化を招く可能性があります[2]。
一般的にコレステロールが高いといわれたら、LDLコレステロールが高いことを指していることが多いようです。
コレステロール値が高い場合、意識したい食事のポイント
健康診断でLDLコレステロールやHDLコレステロールが基準から外れていた場合は、体によくないことは分かりましたが、食事ではどのようなことに気をつければよいのでしょうか。
(1)肉・乳製品・卵などの摂取を控える
LDLコレステロール値が高くなるのは、脂質を構成する飽和脂肪酸の摂りすぎが原因であるといわれています。
飽和脂肪酸は肉の脂身やバターなどに含まれています。そのため、肉や乳製品を控えることが望ましいです。
肉や乳製品を減らすのが難しい場合は、脂身の少ない赤身肉・乳脂肪分が少ない乳製品を選ぶようにするとよいでしょう。
また、LDLコレステロール値が高い場合は、卵・魚卵・レバーなどのコレステロールの多い食品も控えることで値が下がる可能性があるといわれています。ただし、個人差があるため、1〜2ヶ月くらい摂取量を減らして様子を見るのがおすすめです[3,4]。
(2)お菓子や揚げ物の食べすぎに注意する
市販のお菓子や揚げ物などに含まれるトランス脂肪酸は、血液中LDLコレステロールを増やし、HDLコレステロールを減らす作用があると分かっています。
そのため、ケーキやドーナツなどの洋菓子・スナック菓子・揚げ物などの食べすぎに注意することが大切です[3,5]。
(3)食物繊維を積極的に摂る
食物繊維はLDLコレステロール値を下げる作用があるといわれています。
そのため、食物繊維を多く含む食品を積極的に摂るとよいでしょう。
なお、食物繊維を多く含む食品は野菜類・豆類・きのこ類・海藻類などです[3,6]。
コレステロールが高いときは、食べすぎのサイン?
健康診断でコレステロール値が高いと指摘された場合は、肉や揚げ物などを食べすぎているかもしれません。
医師などの専門家からアドバイスをもらいながら、ご自身の食生活を見直しできるところから改善していきましょう。
【参考文献】(2024年3月29日閲覧)
[3] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2020年版), 脂質異常症
AUTHOR
一ノ木菜摘
管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。
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