腎臓に良い食べ物・悪い食べ物ってある?腎機能を維持するための食事のポイントは|管理栄養士が解説
健康診断で腎機能が低下しているといわれても、食事ではどんなことに気をつければ良いか分からない方が多いかもしれません。腎臓は肝臓と同じように進行しても気づきにくく、気づいたときには重症化している場合があります。そのため、腎臓に負担をかけないように早めに対策することが重要です。 そこで今回の記事では腎臓に負担をかけないためにどんな食べ物を控えれば良いのか、どんな食べ物を摂取すべきかについて解説します。
そもそも腎臓ってどんな臓器?
腎臓という臓器があることは知っていても、どんなはたらきがあるのか良く知らない方が多いでしょう。
腎臓は血液のろ過を行い、老廃物や余分な水分などをもとに尿をつくり体外へ排出します。体に不要なものを排出し必要なものを残すことで、体の健康を保つのに役立っています。
しかし腎臓の機能が低下すると、体に不要なものが排出されなくなったり、体に必要なものが排出されてしまったりします。
放置しているとむくみや立ちくらみなどさまざまな不調が現れ、慢性腎臓病になり心臓病などのリスクが高くなります。
腎臓は一度機能が低下してしまうともとに戻すことが難しいため、早期に予防することが重要なのです。
腎機能が低下したら注意すべき食品とは?
腎臓の機能が低下すると食塩の主成分であるナトリウムが排出されにくくなるため、
むくんだり高血圧のリスクが高くなったりします。
そのため、食塩を多く含む食品の摂取は控えるようにしましょう。
食塩を多く含む食品は、漬物、汁物、加工食品、麺類などが挙げられます。
またしょうゆやソースなどの食塩を多く含む調味料の使い過ぎにも注意が必要です。
また肉や魚などに多く含まれるたんぱく質の摂り過ぎも、腎臓に負担がかかるといわれています。
肉料理が中心の食生活はたんぱく質を摂り過ぎている可能性があります。
ごはんやパンなどの「主食」・肉や魚がメインの「主菜」・野菜や海藻などがメインの「副菜」を揃えたバランスの良い食事内容にすると良いでしょう。
さらに腎機能の低下が進行するとカリウムの排出もうまくできなくなるため、カリウムを多く含む野菜や果物、豆類などの摂り過ぎにも注意が必要となる場合があります。
ただしすぐにこれらの摂取を控えるのが必要かどうかは個人差がありますので、
摂取量については担当の医師に確認するようにしましょう。
腎臓に負担をかけない食べ物とは?
腎機能の低下を防ぐためには、食塩の摂取を控えることが重要と考えられています。
そのため、腎臓に負担をかけない食品としては食塩の含有量が少ない食品や調味料などが挙げられます。
調理済みの食品やレトルト、冷凍食品などの加工食品は食塩が多く含まれているため、できるだけ加工されていない生鮮食品を選ぶことが望ましいです。
しかし仕事が忙しく調理済みの食品に頼りたいときもありますよね。
調理済みの食品を購入したり外食したりする際は栄養成分表示を確認し、食塩の含有量が少ない食品やメニューを選ぶようにしましょう。
また食塩を含む調味料の代わりに、香辛料や香味野菜を利用することで減塩につながります。
近年では減塩の調味料や加工食品が販売されているので、これらを利用するのもおすすめです。
腎臓の機能が低下しているといわれたら、ご自身の食生活を見直しできるところから改善するようにしましょう。
ただし、どのくらい腎臓が悪化しているかによって食事内容が変わる可能性があるため、担当の医師に相談しながらご自身の状態に合った食事をすることが大切です。
【参考文献】(2023年10月30日閲覧)
・厚生労働省, 腎疾患対策検討会報告書
・厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2020年版), 慢性腎臓病(CKD)
・厚生労働省, e-ヘルスネット, 高血圧
AUTHOR
一ノ木菜摘
管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。
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