【ココロととのう手帳メソッド】デジタル時代になぜ?手帳・文具ブームが意味するもの
スケジュールやタスクの管理はデジタルで職場や家族で共有することが当たり前の世の中。そんな時代にアナログな手帳や文具に注目が集まっています。 スマホで全部OKな時代に、なぜわざわざ手帳? という人も多いはず。 その人気の理由と手帳で今すぐできることを、手帳愛用歴48年、自称「手帳女将」こと、ライターのみやむらけいこがお伝えします。
出会いは生徒手帳!?
世代によりけりだけど、手帳との出会いが生徒手帳だったという人は多いのでは? 雑誌や“チャレンジ”の付録で初めて手帳を手にした人もいるようだ。学校で配布されたプリントを見ながら、せっせと行事予定を書き入れたり、自分や家族、友だちの誕生日に印を付けたり、習い事や旅行の予定、部活の練習時間も……そんな「手帳との出会い」を経験した人も多いのでは? おそらく書きながら、今年の誕生日は日曜日だ!とか、テスト期間に土日が挟まるとホッとするなぁとか、ちょこっと心の動きも感じていたはず。
ココロオドル
スマホにランチの予定や旅の予定を書いても「何時の電車に乗れば?」「残りの有給確認しなくちゃ」と次のToDoが頭に浮かぶだけだけど、手帳に「○○ちゃんとランチ」「7月1日~5日北海道」と書き込むときには、段取りよりも先に「タイ料理がいいな」「ラベンダー畑が楽しみ」ココロが踊るのはなぜだろう? なぜだかお店や飛行機に一足先にチェックインしてしまうのだ。
とにかく手で紙に書くだけで気分が上がる。そういえば中高生の頃なんかは好きな人の名前をノートの隅に書くだけで脈拍が上がったものだ。今、推しの名前を書くとちょっと脈拍、いや血圧が上がりそうになるのでやめておくけれども……どうも文字を書くときには頭と手だけでなく感情が揺さぶられるみたい。
SNSで炎上が起こるわけ
SNSで度々起こる炎上という状況は、見知らぬ人同士が強烈な言葉を凶器にして振りかざし、不特定多数の戦士? が加勢して炎を暴発させるものだ。生身の人と人の間でもいさかいや喧嘩はもちろんあるけれど、SNS上で武器のように使われる言葉を実際に公衆の面前で吐く人はそうはいない。なぜなら強い言葉を吐くとき、相手に与えるダメージと同じだけ自分のエネルギーも使っているし、自分の口から発せられる強烈な言葉を自分の耳で聞かなければならない。これは実は相当なストレスだ。このストレスが少ないから、ついSNSでは恐ろしい言葉で相手を威嚇してしまうのだろう。
手で文字を書いたり、口から言葉を放つという行為は、それぞれ頭だけじゃなくココロのエネルギーを消耗する。だからリアルではみんなSNSよりずっと平和主義だし、お行儀がいい。みんな本当はいい人でいたいんだ。
だから、手で書いてみよう
ちょっと話がそれてしまったけれど、今、伝えたいのはデジタルとアナログの話。
デジタルのスケジュールアプリでも充分時間やタスクの管理はできる。しかしお店で丁寧に選んだ1冊の手帳にお気に入りの筆記具で大切な人と会う予定を書き込む時の「心持ち」は1ミリも得られない。例えばレシートの裏に楽しみな飲み会の日時と場所を書いてみるだけでも「何着て行こうかな」なんてふと思う。文字を書くと自分の文字を見て我がココロが喜ぶ……多分そんな心持ちを味わった人たちの間で昨今の手帳界隈は賑わっているじゃないかな、と思うのだ。
モノがもたらす幸せenergy
そしてやはり大切なのは「モノを手に入れる」ということ。
PCやスマホでポチッと何でも買うことができる時代。とはいえ服や靴を買ってはみたけれど、素材やサイズがイメージと違って返品したりタンスのこやしにしてしまった経験は誰にでもきっとある。
もしも手帳を買うなら、服や靴のように素材やサイズだけではなく、自分自身のライフスタイルをまず理解しなければ、返品送料や引き出しの余分なスペースを決して使われることのない手帳に割くことになる。
例えばロフトやハンズじゃなくても、街の文具店やショッピングセンターでも充分手帳は揃っている。この時期なら1月始まりの手帳が半額以下になっているだろうし、3、4月始まりのものだって値下がりしている。
「ライフスタイルをまず理解」とは言ったけれど、初心者さんや長く手帳から離れていた人には、写真のようなカレンダースタイルのマンスリーといわれるレイアウトの手帳がオススメ。手頃なサイズで愛用のバッグに入るもの、カバーは直感で「これ」と思ったものを選ぶといい。寒色系が好きでも、手帳だけは赤! とか、いつもダークスーツのバリキャリ女子がミッフィー手帳を持っていたりもする。何を選んでも正解だけど、できれば最初は独自の使い方やメソッドがない「自由」なものがいい。手帳メーカーのものだと紙質も良くて安心だけど、100円ショップのものでも大丈夫。
とにかく、自分の1冊を心を込めて選んでほしい。
ログという名の使い方
お気に入りの1冊を手に入れたら、まずはこの時期だから1月または3、4月から今までの自分の記録を遡って書いてみるといい。スケジュールアプリやカレンダーから転記していると、色分けやスタンプ、シールを使ってみたくなるかもしれないから、それはその都度買い足していく。こちらも100円で全てが揃うから、ゴミ袋や電池を買うついでに寄ってみて。海外旅行やデートとかキラキラしたログだけじゃなくて、歯医者とかインフルエンザで会社を休んだとか、家族の予定や誕生日、とにかくなんでも「私の身の回りのこと」を全部書き出してみる。
手帳で得られるモノ
もしも手帳が手に入らなかったら家のカレンダーやノート、いらない紙に書き出してみるといい。さて、どんな思いがココロに宿っただろう? 今日これから眠るまでの時間の過ごし方、そして明日は何をしようかなと考えたりはしなかっただろうか?
過去の記録=ログを書いているだけでも、手で文字を書いていると「次」の時間が楽しみになる。頭の中もココロも少し前傾姿勢になる。前傾姿勢になれば左右どちらかのあなたの利き足が必ず1歩前に出る。今日のための昨日までの日々、明日のためのこれからの時間「大切にしなくちゃ」と思えれば素敵。明日のこと明後日のこと来週の予定もぜひ書いてみよう。
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