【人参】β-カロテンを効率よく摂取できる調理法とは?意外と知らない栄養素とおすすめの食べ方

 たくさんの人参
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β-カロテンを豊富に含む野菜として知られている人参ですが、食べ方を工夫することでより効率的にβ-カロテンを吸収することができます。今回は、人参に含まれる栄養とおすすめの食べ方について詳しく解説します。

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人参にはβ-カロテンが豊富に含まれている

栄養の文字
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人参100gに含まれる主な栄養素は、以下のとおりです。

  • カリウム 300mg
  • β-カロテン 6,900μg
  • ビタミンB1 0.07mg
  • ビタミンB2 0.06mg
  • ビタミンC 6μg

とくに、β-カロテンの含有量が野菜のなかでもダントツに多いのが特徴です。β-カロテンはビタミンAに分類される栄養素で、抗酸化作用を持っています。またβ-カロテンは、人参の色に関与する栄養素です。そのため、オレンジ色の濃い人参には、カロテンが豊富に含まれているといわれています。β-カロテンは人参の皮の近くに豊富に含まれているため、人参を調理する際は皮つきのまま活用するのがおすすめです。

β-カロテンの吸収率をアップさせるには?おすすめの食べ方

人参の炒め料理
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β-カロテンの吸収率をアップさせるには「油で炒めてから食べる」のがよいといわれています。β-カロテンは、調理法や食べ方の違いで吸収率が大きく変わります。調理法や食べ方の違いによるβ-カロテンの吸収率は、主に以下の表のとおりです。

調理法や食べ方 β-カロテンの吸収率
油で炒めて食べる 80%
塩茹でして食べる 50%
おろして食べる 20%
生のまま食べる 10%

 

人参に含まれるβ-カロテンは、脂溶性で油に溶け出す性質を持ちます。そのため、茹でたり生で食べたりするよりも油で炒めて食べた方が、β-カロテンを効率よく吸収できます。β-カロテンは熱に比較的強い性質も示すため、加熱しても失われにくいのが特徴です。油を使った調理法では人参の甘味も増すため、よりおいしく食べられるでしょう。

乳製品との同時摂取も効果的

β-カロテンと発酵乳を同時に摂取すると、血液中のβ-カロテン濃度が上昇するという研究結果も報告されています。ラットを用いた研究では、発酵乳と同時に摂取したときの方が野菜のみを摂取したときに比べて、β-カロテンの濃度が高い結果が見られました。これは、発酵乳に含まれる乳酸菌や乳たんぱく質などがβ-カロテンの吸収促進に関与していると考えられています。

β-カロテンは効率よく摂取しよう

β-カロテンは抗酸化作用があり、皮膚や粘膜の健康維持に関わる大切な栄養素です。鮮やかな色の人参を選んだり皮つきのまま油で炒めて食べたりすると、β-カロテンが効率よく摂取できます。ぜひお試しください!

【参考文献】

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年  野菜類/(にんじん類)/にんじん/根/皮つき/生 

独立行政法人 農畜産業振興機構 今月の野菜にんじん

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 ビタミンA - 「 健康食品 」の安全性・有効性情報

健常人において発酵乳と野菜の同時摂取は カロテノイドの吸収を促進させる

ライター/菅理栄養士 山田佳奈子 

管理栄養士。約8年間保育園で献立作成や給食づくり、栄養相談に携わる。アトピーや運動誘発性小麦アレルギーの発症、2年間のイギリス生活などでからだと食の関わりに関心をもつ。現在は、子育てをしながら執筆活動をメインに食と健康に関する情報を発信している。

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