【きゅうり】ひと工夫でビタミンB1が9倍に!栄養価を高める工夫とは?

 ザルに入ったきゅうり
by photoAC

栄養がないといわれるきゅうりですが、じつはカリウムやβ-カロテンなどが含まれています。しかし、水分が多く栄養素によってはほかの野菜に比べて少ない項目もあります。今回は、きゅうりに含まれる栄養素や足りない栄養を補う工夫について解説します。

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きゅうりに含まれる代表的な栄養素

切られたきゅうり
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きゅうり100gに含まれる主な栄養素は、以下のとおりです。

  • エネルギー 13kcal
  • 水分 95.4g
  • タンパク質 1.0g
  • 脂質 0.1g
  • 炭水化物 3.0g
  • 食物繊維 1.1g
  • カリウム 200mg
  • β-カロテン 330µg
  • ビタミンB1 0.03mg 
  • ビタミンC 14mg

きゅうりの約9割は水分でできているため、栄養がないと思っている方もいるかもしれません。じつは、きゅうりにはカリウムやβ-カロテン、ビタミンCなどが含まれています。とくに、β-カロテンの含有量は、淡色野菜のなかでもトップクラスです。しかし、ビタミンB1など、ほかの野菜に比べて含有量が少ない項目があるのも事実です。

きゅうりの栄養を高めるには「ぬか床」に漬けるのがおすすめ

ぬか床に漬けられたきゅうり
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きゅうりはぬか床に漬けると、栄養価を高めることができます。以下の表で、生のきゅうりとぬか漬けのきゅうりの平均的な栄養価を比較しました。

きゅうり

きゅうりはぬか漬けにすると水分やβ-カロテン量は減りますが、増加する項目が多いのが特徴です。とくにカリウムは約3倍、ビタミンB1は約9倍の変化が見られます。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変換するはたらきが期待でき、疲労回復をサポートしてくれる栄養素です。カリウムは摂りすぎた塩分を体外へ排出し、体内のナトリウムを調整するはたらきを担っています。ぬか漬けに含まれた塩分をうまく調整し、むくみ解消を促してくれるでしょう。

乳酸菌の力で腸内環境の改善にもつながる

ぬか漬けにしたきゅうりは、生で食べるよりも乳酸菌の増大も期待できるのがポイントです。きゅうりをぬか床に漬けると、ぬか床の乳酸菌がきゅうりにうつります。実際に、18時間ぬか床に浸漬したきゅうりには、乳酸菌の増大が見られたとの研究結果が報告されています。そのため、きゅうりは生で食べるよりもぬか漬けにした方が乳酸菌の健康効果が期待できるでしょう。乳酸菌の積極的な摂取は、腸内の悪玉菌を減らし善玉菌が過ごしやすい腸内環境の維持につながります。腸内のバランスが良くなると、便秘の解消や免疫力の向上など、さまざまな健康効果が期待できます。

きゅうりはぬか床に漬けて栄養価を高めよう!

きゅうりのぬか漬け
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水分の多いきゅうりは、ぬか漬けにするとカリウムやビタミンB1などが増え、栄養価が高まります。また、乳酸菌の増大も期待できるため、腸内環境の改善にもつながるでしょう。きゅうりのぬか漬けに豊富に含まれるカリウムは体内の塩分量をうまく調整してくれますが、食べ過ぎは塩分の過剰摂取につながります。1日20gを目安に少量を楽しみましょう。

【参考文献】

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 野菜類/きゅうり/果実/生 - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 野菜類/きゅうり/漬物/ぬかみそ漬 - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類

農林水産省 野菜をぬか漬けにするとどんないいことがありますか。

古田吉史 田中貴絵 甲斐達男 糠床への浸漬による野菜に付着する微生物叢の変化

乳酸菌 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

ライター/菅理栄養士 山田佳奈子 

約8年間保育園で献立作成や給食づくり、栄養相談に携わる。とくに食育活動に力を入れており、0歳から5歳の年齢に合わせた指導で「食を楽しく学ぶ」を大切に活動。アトピーや運動誘発性小麦アレルギーの発症、2年間のイギリス生活などでからだと食の関わりに関心をもつ。現在は、執筆活動をメインに食と健康に関する情報を発信している。

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ぬか床に漬けられたきゅうり
きゅうり
きゅうりのぬか漬け