【大根の葉】根に比べてカルシウムが10倍以上?!栄養を効率よく摂るポイントを管理栄養士が解説


大根は白い部分を食べる機会が多いですが、実は葉にこそ栄養が豊富に含まれています。とくにβ-カロテンや葉酸などは、大根の根に比べて多く含まれているのが特徴です。今回は、大根の葉に含まれる栄養について、根の栄養量と比較しながら解説します。
大根の葉には栄養が豊富に含まれている

大根の葉100gに含まれる主な栄養素は、以下のとおりです。
- 食物繊維 4.0g
- カリウム 400mg
- カルシウム 260mg
- 鉄 3.1mg
- β-カロテン 3900mg
- 葉酸 140µg
- ビタミンC 53mg
大根の葉には、体内のナトリウムを調節してくれる効果が期待できるカリウムや骨の形成に欠かせないカルシウムなどの栄養素が豊富に含まれています。なかでもβ-カロテンの含有量はほかの栄養素に比べてダントツに多いことが分かります。β-カロテンは抗酸化作用が期待できるため、老化防止のサポートをしてくれるでしょう。
大根の葉は根に比べて栄養価が高い
大根の根と葉100gあたりの栄養量を、表にまとめて比較をしてみました。結果は以下のとおりです。
大根の根・皮なし(100g) | 大根の葉(100g) | |
食物繊維 | 1.3g | 4.0g |
カリウム | 230mg | 400mg |
カルシウム | 23mg | 260mg |
鉄 | 0.2mg | 3.1mg |
β-カロテン | 0mg | 3900mg |
葉酸 | 33µg | 140µg |
ビタミンC | 11mg | 53mg |

大根の根に比べて、葉にはカルシウムが11倍、鉄が15倍含まれています。また、ビタミンC含有量でも根と葉で約5倍の違いが見られました。そして、葉に多いβ-カロテンは、根に含まれていないことが分かります。ちなみに、野菜は100gあたりのβ-カロテンの含有量で緑黄食野菜と淡色野菜に分けられますが、大根の葉は緑黄色野菜に分類されます。β-カロテンが含まれていない大根の根は、淡色野菜の仲間です。
大根の葉の栄養を効率よく摂るポイント

大根の葉に豊富に含まれるβ-カロテンは、加熱調理をすることで吸収率が高まるといわれています。油に溶けやすい性質を示す栄養素でもあるため、油でさっと炒めるのがおすすめです。大根の葉の苦みが気になる場合は、アク抜きをしましょう。ただし、茹でる時間が長く水量が多いほど、カリウムは減ってしまいます。大根の葉は鍋で茹でるよりも、少量の水を使って電子レンジで加熱をしながらアク抜きをするのがおすすめです。
大根の葉には、β-カロテンやカリウム、鉄分などが豊富に含まれています。店頭で葉つき大根を見つけた際は、ぜひ手に取ってみてください!
【参考文献】
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 野菜類/(だいこん類)/だいこん/葉/生01.一般成分表-無機質-ビタミン類
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 野菜類/(だいこん類)/だいこん/根/皮なし/生01.一般成分表-無機質-ビタミン類
ライター/菅理栄養士 山田佳奈子
約8年間保育園で献立作成や給食づくり、栄養相談に携わる。出産を機に「食に興味をもつ子を育てる」ことをより意識し、さらに食育活動に力を入れる。アトピーや運動誘発性小麦アレルギーの発症、2年間のイギリス生活などでからだと食の関わりに関心をもつ。現在は、子育てをしながら執筆活動をメインに食と健康に関する情報を発信している。
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