深刻な病気がわかることもある?40歳過ぎたら積極的に受けたい〈眼底検査〉でわかること|医師が解説

 深刻な病気がわかることもある?40歳過ぎたら積極的に受けたい〈眼底検査〉でわかること|医師が解説
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2025-01-10

目の病気の早期発見につながる眼底検査について、医師が解説します。

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眼底検査とは?

眼底検査は、眼科の検査のなかでも特に重要な検査であり、眼底には、目や全身の病気の早期発見につながる情報(所見)が詰まっています。

眼底検査では眼底所見、特に血管、網膜、視神経に着目し、それが正常か否かを確認するとともに、眼底の所見から、病気があるか、どのくらい進行しているのかがわかります。

もし、正常でない所見を確認できれば、それが目の病気の早期発見につながりますし、定期的な眼底検査を実施することで、目の病気の経過観察や新たな発見が可能となります。

眼底検査を受けることで、眼底の異常の有無、目の病気の早期発見が可能となり、さらに、定期的に検査を施行することで、 病気の変化をとらえることが可能となります。

人間ドック、職場の定期健診、自治体等の特定健診で、眼底検査が行われることがあります。

眼底検査では、専用カメラで眼底を撮影して、目の病気がないかを判定しますが、すべての健診で眼底検査が行われるわけではありませんので、健診を受ける際には眼底検査が含まれた健診を受けることをおすすめします。

健診以外でも、眼底に影響を及ぼす病気を早期発見する機会があります。

最近、「見えづらくなったのでメガネやコンタクトレンズを作ろう」という場合、「目が赤くなった」、「目がかすむ」などの症状があるときには眼科を受診しましょう。

眼底検査でわかることとは?

眼底検査とは、瞳孔の奥にある眼底を眼底カメラで撮影し、眼底の血管、網膜、視神経等を調べる検査です。

眼底とは眼球の後内壁面を覆う網膜のことです。

私たちは網膜の働きで物体を見ますので、その出血や変性などは重大な所見です。

主に、糖尿病性網膜症や緑内障などの失明に至る恐れのある病気を早期に発見できますし、眼底にある動脈を観察して、高血圧性変化や動脈硬化の程度を調べます。

特に、糖尿病性網膜症では、眼の網膜にある非常に細い血管が障害を受ける合併症であり、病状が進行すると顕著な視力低下に至る危険性がある怖い状態です。

この場合には、目立った自覚症状が乏しいまま知らず知らずのうちに症状が進行していくと言われていますので、早期発見あるいは早期治療に結び付けるために、少なくとも年に1回以上は眼科受診して眼底検査などを施行することが重要な観点となります。

まとめ

眼底検査は、目の奥でカメラのフィルムのような役割を果たしている網膜の状態を、観察する検査です。

体内で唯一、血管の状態をそのまま観察できるのが眼底なので、眼底検査により、目の病気だけでなく全身の病気を早期に診断することができ、高血圧や動脈硬化、糖尿病の状態なども、眼底検査で判明する場合があります。

目の病気の多くは、初期や軽症の状態では症状がほとんどないので、自分で気づくことができませんが、このような場合でも、眼底検査によって正確に診断することができます。

糖尿病性網膜症を含めて、眼底検査で見つけることができる病気の多くは、特に40歳以降の中高年から出現することがほとんどですが、健康診断で眼底検査を取り入れている職場は、まだ少数です。

40歳を過ぎて何らかの目の症状のある方、また眼底検査を受ける機会のある方は、眼科専門医による年に1回程度の眼底の定期検査を、是非とも受けることをお勧めします。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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