LDLコレステロール値が高い人は注意!〈手遅れになる前に〉気をつけるべき食事のポイント
恐ろしいことに、命にかかわる病気の中には、知らぬ間に進行するものがあります。手遅れになる前に、健康診断を受診した後、結果を振り返り、必要に応じて生活習慣を見直すことが大切です。今回は、重要な健康指標のひとつであるLDLコレステロールに着眼し、数値の高い方が気をつけるべき食事のポイントについて解説します。
そもそもLDLコレステロールってなに?
LDLコレステロールとは、いわゆる悪玉コレステロールです。動脈硬化を促進する要因となります。動脈硬化とは、動脈が硬くなって弾力性が失われた状態で、命にかかわる病気を引き起こす要因となるのです[1]。
あなたは大丈夫?健康診断の結果を要チェック
命にかかわる病気である冠動脈疾患やアテローム血栓性脳梗塞の発症を予防する観点から、『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版』では、LDLコレステロールについて、以下のように定められています[1]。該当する方は注意が必要です。
【脂質異常症診断基準】
120~139mg/dL | 境界域高LDLコレステロール血症 |
140mg/dL以上 | 高LDLコレステロール血症 |
摂りすぎに注意したい食品成分2選
日々の食事の中で、LDLコレステロール値が高い方が特に摂りすぎに注意したい食品成分を2つ紹介します。
飽和脂肪酸
適正な総エネルギー摂取量のもと、飽和脂肪酸の摂取量を減らすことで、LDLコレステロール値が下がることが示唆されています[1]。飽和脂肪酸を含む食品、肉の脂身やバター、ラード、生クリーム、インスタントラーメンなどの摂りすぎには注意が必要です[2]。飽和脂肪酸は、適量摂取エネルギーの7%未満の摂取にとどめることが推奨されています[1]。今の食事で摂りすぎていないか不安のある方は、お近くの管理栄養士に相談してみましょう。
食事性コレステロール
高LDLコレステロール血症の方は、食事性コレステロールを1日200mg未満に制限することで、LDLコレステロール値が下がることが示唆されています[1]。食事性コレステロールを含む、鶏卵の黄身や魚卵などの摂りすぎには注意しましょう[2]。
※鶏卵1個程度、イクラ大さじ2.5杯程度には、食事性コレステロールが約200mg含まれています[2]。
その他食事のポイント
健康を維持する上で基本となる、適正量の食事をとることも大切です。また、食物繊維の摂取はLDLコレステロール値を下げることが報告されています。食物繊維を含む玄米や麦などの精製されていない穀物、また野菜類や海藻類、きのこ類、果実類など日々の食事の中で積極的に取りいれるとよいでしょう[1]。
手遅れになる前に!今日から見直そう
健康診断、受けっぱなしになっていませんか。結果を振り返り、必要に応じて、生活習慣を見直すことが大切です。LDLコレステロール値の高い方は、今回解説した食事のポイントのほか、適度な運動や、適度な睡眠、休養も心がけましょう。
【参考文献】(すべて2024年10月20日閲覧)
AUTHOR
なかでかおる
一人でも多くの方の心身の調子を整えるため、食と心の領域で活動中。学術修士では、食行動と動機づけに関する研究を実施。栄養疫学と健康心理学を軸に、食の領域では、特定保健指導やジムでの栄養指導、コラム執筆、研究補助等、心の領域では、コーチングセッションやコラム執筆、研究補助等を行う。
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